1999 Fiscal Year Annual Research Report
虚血・低酸素性脳神経細胞選択死のメイカニズム解明に関する研究
Project/Area Number |
09480232
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
佐々木 實 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10080003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 豊曠 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (20106230)
尾崎 康彦 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50254280)
国松 己歳 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (70145746)
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Keywords | 虚血低酸素 / 神経細胞死 / ネクローシス / アポトーシス / カルシウム拮抗剤 / カルパインインヒビター / acridine orange / ethidium bromide法 |
Research Abstract |
これまでの研究結果から、虚血・低酸素による脳神経細胞の選択死の原因は、神経細胞の核に多量に存在するμ-カルパイン前駆体が低酸素条件でおこるカルシウムの流入により活性化することによるもであるとする示唆が得られた。平成11年度はその細胞死にネクローシスとアポトーシスがどのように関わっているか、また細胞死にカルパインインヒビター、カスパーゼインヒビター,Ca^<2+>拮抗剤がどの程度期待出来るか、などを主な目的として検討を行った。 1.低酸素下におけるネクローシスとアポトーシスの解析. 各種アホトーシス検出法(TUNEL法、Hoechst法)や、ネクローシス/アポトーシスの判別法(acridine orange/ethidium bromide法)を用いて両者の関わりを解析した。その結果酸素分圧1/5の低酸素処理では、ネクローシスは経時的に増加し、6時間値62%、12時間値65%、24時間値68%であるのに対し、アポトーシスは、6時間値、12時間値、24時間値でそれぞれ5〜8%,7〜12%、7.6〜15%であった。 2.カルパインインヒビタ一とカルシウム拮抗剤の併用による細胞死の抑制効果. 上記低酸素条件下における3時間までの実験で1時間、2時間、3時間値までの生存細胞数は56%、25%、22%であったが、いずれも1μMのインヒビター及びキレート剤を使用した実験で、(1)カルバインインヒビターIII単独では60、53、43%、(2)カスパーゼインヒビターICE1では60、52、48%、(3)BAPTA-AMでは82、68、57%で、(1)と(3)の併用では90、86、80%であった。 以上の結果から酸素分圧1/5以下の低酸素条件下での神経細胞死はその大半はネクローシスであり、それにアポトーシスによる細胞死が加わること、及びカルパインインヒビターと拮抗剤の併用が効果的で今後の虚血性神経細胞死の対策に有用であることが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Kmunimatsu et al.: "Activation of calpain in myocardial infarction : An immunohistochemical study using a calpain antibody raised against active site histidine-containing peptide"Cardiovasc. Pathol.. 8. 7-15 (1999)
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[Publications] T.Saito et al.: "Protective effects of calpain inhibitor for prolonged hypothermic cardiac preservation"Jap.J.Thor.Cardiovasc.Surg.. 47. 145-152 (1999)
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[Publications] M.Nonaka et al.: "Opsonic complement component C3 in the solitary ascidian,Halocynthia roretzi"J.Immunol.. 162. 387-391 (1999)
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[Publications] X.Ding et al.: "Prevalence of TT virus and GBV-C infections among patients with liver diseases and the general population in Shanghai,China"Virus Genes. 19. 51-58 (1999)
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[Publications] K.Kitamura et al.: "Characterization of the human dihydropyrimidinase-related protein 2 (DRP-2) gene"DNA Res.. 6. 291-297 (1999)
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[Publications] H.Inagaki et al.: "Differential expression of dihydropyrimidinase-related protein genes in developing and adult enteric nervous system"Histochem.Cell Biol.. 113. 37-41 (2000)