1997 Fiscal Year Annual Research Report
自然発症糖尿病ラット(WBN/Kob)の病因遺伝子の遺伝学的解析
Project/Area Number |
09480245
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
西村 正彦 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (20073661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西森 功 高知医科大学, 医学部, 助手 (30237747)
西川 哲 浜松医科大学, 医学部, 教務員 (50260584)
森 政之 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60273190)
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Keywords | 糖尿病 / WBN / Kobラット / 慢性膵炎 / 遺伝解析 |
Research Abstract |
1.飼料はすべて我々が開発した糖尿病好発飼料を用いた。 2.WBN/Kob系ラットの糖尿病の遺伝解析を行うため、交雑群作成の交配相手となる正常系としてDA/Ham系を用いた。 3.米国Research Genetics社からラット用マイクロサテライトマーカーを全部で431個購入して、WBN系、DA系とその間のF1のDNAを用いてタイピングを行い両系統間で多型を示すマーカーを探し、現在41座位の多型マーカーを見出した。 4.DA/Ham雌とWBN/Kob雄を交配して得たF1にWBN/Kobを正逆交配して、Backcross(BC)群を作り始め、現在(DA x WBN)F1 x WBNのBC1群で雄193匹をWBN x (DA xWBN)F1のBC2群で雄75匹を得た。 5.WBN/Kob,DA/Ham,(DAx WBN)F1,(WBN x DA)F1およびBC1群とBC2群について体重、尿糖、血糖測定及び糖負荷試験を行った。その結果、WBN/Kobは13週齢ではまだ正常範囲にあったが、26週齢では耐糖能の明らかな低下を認めた。BC1及びBC2群は21週齢まで観察したが糖尿病の兆候は見られなかった。 6.13週齢での膵臓の病理組織学的検索の結果、WBNでは約30%の個体において膵炎の像が見られたが、BC1及びBC2群では殆ど観察されなかった。DA及びF1では全く正常であった。 今後の研究の展開:この1年間の研究で当初予想したほどに膵炎はさらには糖尿病が発現しないので、26週齢での糖負荷試験との膵臓の病理組織学的変化を指標に遺伝解析することにする。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nishikawa T.: "A rapid and easy electrophoretic method for detecting biochemical loci of rat(Rattus norvegicus)" Exp.Anim.45. 189-194 (1996)
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[Publications] 西川 哲: "生化学的標識遺伝子組成から見た14近交系ラット系統の遺伝学的位置" 医学と生物学. 132. 261-266 (1996)
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[Publications] 西村正彦: "WBN/Kob系ラット" 日本臨床. 56増刊号. 700-703 (1998)