1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09490003
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Research Institution | UNIVERSITY OF TSUKUBA |
Principal Investigator |
庄司 進一 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (40020929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紙屋 克子 筑波大学, 社会医学系, 教授 (90272202)
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Keywords | 生命倫理 / 人間性 / 教育 / 臨床人間学 / テュートリアル / 少人数学習 / 自由討論 / 医学教育 |
Research Abstract |
臨床人間学は、1)少人数討論と全体討論、2)生老病死などに関する判断を通して具体的に人間を考える、3)自分の問題として考え始める、4)倫理的判断のみならず人生・死などの意義や生きがいなどをも追及する、を特徴とする新しい人間性教育の方法である。対象として、医学生・看護学生・一般大学生・大学院生・看護婦・ターミナルケア専門家・一般社会人に実践した。学習者のアンケートからは価値観の個人差に気付いた(4.8、医学生1999年の5段階評価の平均、以下同様)、人間について考える機会を得た(4.6)、などが高い評価を得た。一般大学生を対象に筑波大学で通年行っている総合科目「臨床人間学」は、平成11年大学生の投票により49の総合科目の中から"筑波大学最優秀総合科目"に選出された。テュートリアル「人間学入門」は医学生を対象に必須科目として平成8年度入学生から実践するようになり、留年率が明らかに低下した。例えば1年次の留年率は必須化前4年間の平均が3.00%であったのが、必須化後平均0.67%となった。これは医療の心が理解できた(4.4)、勉学への意欲が沸いた(4.3)、などの評価と呼応する。国際的にも倫理教育の方法は、具体的症例、少人数討論、各種の専門職になる学生の混成、が良いとされてきた。臨床人間学はこれらを全て備え、且つ上記の3)4)の特徴を加え、学習者に有益でかつ楽しいと評価された。
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[Publications] 庄司 進一: "パネルディスカッション内科臨床指導医に求められるもの「効果的な評価法」"日本内科学会雑誌. 87(9). 1838-1841 (1998)
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[Publications] 庄司 進一: "わたしの講義 総合科目「臨床人間学」"筑波フォーラム. 48. 76-80 (1997)
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[Publications] 庄司 進一: "医学校における倫理観とヒューマニティの教育"医学教育. 28(5). 336-337 (1997)
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[Publications] 庄司 進一: "情意領域の教育としての臨床人間学の提言"内科専門医会誌. 9(1). 1 (1997)
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[Publications] 柿川房子、山崎彰郎、志真泰夫、庄司進一、高沢洋子: "ターミナルケアにおけるコミュニケーションスキルを考える(前編)"がん看護. 3(4). 307-311 (1998)
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[Publications] 柿川房子、山崎彰郎、庄司進一、臼田美智子: "ターミナルケアにおけるコミュニケーションスキルを考える(後編)"がん看護. 3(6). 454-457 (1998)
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[Publications] 庄司 進一: "現代のエスプリターミナルケアの周辺「ターミナルケアと教育」"至文堂. 171〜179 (1999)
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[Publications] 庄司 進一: "医療ビックバンの基礎知識「診療情報開示」"日本内科学会. 61〜64 (1999)