1999 Fiscal Year Annual Research Report
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09490018
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上田 豊 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (80091164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 順平 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90195503)
増澤 敏行 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (40023858)
中尾 正義 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (90142695)
幸島 司郎 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (60183802)
知北 和久 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70142685)
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Keywords | 雪氷コア / アミノ酸 / 光学的異性体 / 安定同位体 / デブリ / 熱収支 |
Research Abstract |
本年度は、ヒドゥンバレーで採取した雪氷コアについて、昨年度までに実施したイオン分析や粒子分析、トリチウム分析に加えて、その中に含まれるアミノ酸の分析を実施した。その結果、アミノ酸の濃度変化が生物活動の指標として利用でき、その周期変化を数えることによりコアの年代を推定できる可能性があることが明らかになった。また、アミノ酸の光学的異性体含有比の測定もおこなった。生物活動によってL型のアミノ酸が顕著に増加していることが見いだされた。その状態から熱力学的平衡状態(L型とD型との割合が等しい状態)への移行速度からコアの年代を推定できる可能性がある。 また、コアデータ解釈のために昨年度まで実施した北海道母子里での積雪観測で採取した試料の分析、解析と観測データの解析を行った。その結果、積雪が融解を開始すると積雪粒子が急速に大きくなること、その速度は乾雪に比べて極端に大きいことを見いだし、その量的評価を行った。その結果を用いて、積雪層の安定同位体比の時間変化を説明し、氷河表面の積雪層で融解が生じるアジア高山地域で採取される雪氷コアの同位体データを解釈する道を拓いた。 現地観測データの解析では、デブリに覆われた氷河の収支に大きく影響する氷河表面に存在する池の水の熱収支解析を実施し、池で吸収された熱はその場所ではなく、池からの流出過程で水路の周辺の氷を融かし、新たな池や氷壁を作り出すことによって、氷河の融解速度を加速しているという新事実を見いだした。 さらに、ネパールのショロン谷で新たに採取した年輪試料を用いた年輪年代学的解析を実施した。 上記の成果について、英語版とネパール語版のパンフレットを作成した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Chikita,K.,J.Jha,and T.Yamada: "Hydrodynamics of a supraglacial lake and its effect on the basin expansion: Tsho Rolpa,Rolwaling Valley,Nepal Himalaya."Arctic,Antarctic,and Alpine Research. 31. 58-70 (1999)
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[Publications] Kayastha,R.B.,T.Ohata and Y.Ageta: "Application of a mass balance model to a Himalayan glacier."J. Glaciology. 45. in press (1999)
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[Publications] Kayastha,R.B.,Y.Ageta and M.Nakawo: "Positive degree-day factors for ablation on glaciers in the Nepalese Himalayas: case study on Glacier AX010 in Shorong Himal,Nepal."Bulletin of Glaciological Research. 17. 1-10 (2000)
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[Publications] Nakawo,M. and B.Rana: "Estimate of ablation rate of glacier ice under a debris layer"Geografiska Annaler. 81A. 695-701 (1999)
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[Publications] Nakawo,M.,H.Yabuki and A.Sakai: "Characteristics of Khumbu Glacier,Nepal Himalaya: recent change in the debris-covered area."Annals of Glaciology. 28. 118-122 (1999)
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[Publications] Takeuchi,N.,S.Kohshima,Y.Yoshimura,K.Seko,and K.Fujita: "Characteristics of cryoconite holes on a Himalayan glacier,Yala Glacier Central Nepal."Bulletin of Glacier Research. 17. 51-59 (2000)
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[Publications] 研究分担者及び協力者: "Glaciers and Our Life (英語版・ネパール語版)"名古屋大学大気水圏科学研究所. 9 (1999)