1997 Fiscal Year Annual Research Report
フーリエ変換近赤外分光法による表面化学種のキャラクタリゼイション
Project/Area Number |
09490019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
角田 範義 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30201411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大北 博宣 豊橋技術科学大学, 工学部, 教務職員 (20262967)
水島 生智 豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (60239233)
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Keywords | 近赤外分光法 / 赤外分光法 / 固体酸 |
Research Abstract |
本計画の中心は、近赤外分光装置である。近赤外装置の特徴は、固体、半固体、粉体、液体等いずれの形状も取り扱いが可能であり、光ファイバーを用いることで試料の状態を変化させながらの測定もできるなど魅力的な点が多い。このような観点から本年度は、FT-NlRの購入に伴い、基礎データの測定を、注目すべき水酸基が関与する固体酸特性について行った。 固体酸触媒として知られているMFI型ゼオライトは、その酸特性が炭化水素の切断反応に有効であることが知られている。ところが、このMFl型ゼオライトにGaやZnを少量添加すると炭化水素の脱水素及び環化性能が向上する。この原因を調べるため、、MFl型ゼオライトの酸点(水酸基)に注目して、FT-IR測定を行った。その結果、Gaは選択的にゼオライトの架橋水酸基のB酸点に吸着した。そして、吸着したGaは還元処理によって新しいL酸点を形成することが判明した。この傾向は、MFI型ゼオライトのみに見られるもので、他のY型等のゼオライトでは観測されなかった。一方、Znの場合はGaとは異なり、架橋水酸基には全く影響を与えず、それ以外のB酸点に吸着し、Gaの場合と同様に還元処理によって新しいL酸点が形成されることが明らかになった。この、新しく形成したL酸点は、炭化水素の脱水素や環化過程に効果的に作用し、芳香族収率や水素発生量が向上する結果となった。これらの添加物が、選択的にB酸点に吸着し、新しい酸点が形成されることをIRで示したことは初めてであり、この酸点の具体的な挙動については今後の課題として次年度以降も継続して解析を進める。
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