1998 Fiscal Year Annual Research Report
多機能材料による建築構造物のスマート構造化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09490027
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
北川 良和 広島大学, 工学部, 教授 (10284176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩原 等 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50272365)
狼 嘉彰 東京工業大学, 工学部, 教授 (50240750)
吉田 和夫 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (80101997)
山本 鎖男 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50200803)
玉井 宏章 広島大学, 工学部, 助手 (80207224)
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Keywords | スマート材料 / 人工生命体 / アクティブ制御 / キュービックニューラルネットワーク / ヘルスモニタリング |
Research Abstract |
本研究は、不確定性の多い外乱・建築構造物を対象として、変化する環境のなかで、地震対策を大規模かつトータルシステムとして行う建築構造物のスマート構造を構築するための基礎的研究である。本年度は、以下に示す2つの研究項目について研究を実施した。 [要素技術の骨格構築とその再現性等の検討] 1. 振動制御のための人工生命体中枢機構(進化、形態形成、学習、生体の分散、並列・分散処理、免疫、自己修復等)を整理し、そのシステムの骨格を検討した。特に、スマート構造物のアクテイブ制御において予期せぬ事態にも対応するために、キュービックニューラルネットワークと遺伝的アルゴリズムを用いた学習、並列・分散処理の知的制御手法を検討した。[吉田] 2. 外乱、環境を感知する人工生命体に必要なセンサーシステムは、情報の獲得のみならず、情報の抽出情報表現、自己診断等の機能を必要とする。特に、スマート材料の情報・抽出と表現においては、定量的なものだけでなく、定性的なものが重要であり、新しいセンサーヒュージョンの考え方が必要となる。このようなセンサーシステムを前提としたアクチュエータ及び制御用プロセッサーといった人工生命体を機能させる材料の検討を行った。[狼・塩原] 3. ヘルスモニタリングとケアによる建築構造物の保守・長寿命化の方法を整理し、その評価法の骨格について検討した。[山本] [建築構造物への応用(スマート構造化、自己組織化)] 4. 可能性の高いスマート材料である圧電素子、形状記憶合金を用いた、柱、はり等の模型試験体を作製し、自由振動実験、静的載荷試験を行い、その部材性能を実験的に検証した。また、これらの部材を組合せたスマート構造試験体について、強制振動実験を行い、建築架構にこのスマート材料を用いた場合の挙動を実証的に究明した。更に、本スマート構造を適用することによる建築架構の減衰性能向上に対する有効性を検討した。[北川・玉井・塩原]
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 竹下昌樹: "建築構造物のスマート構造化に関する基礎的研究(その1:スマート構造物の概要とその要素)" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 757-758 (1998)
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[Publications] 竹下昌樹: "建築構造物のスマート構造化に関する基礎的研究(その2:圧電素子の基本特性とその適用)" 日本建築学会中国支部研究報告集. 22巻. 137-140 (1999)
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[Publications] 狼嘉彰: "宇宙機に働いた衝撃力の推定解析の効率化と推定精度" 日本機械学会論文集(C編). 64巻・622号. 153-159 (1998)
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[Publications] 吉川章男: "やや長周期地震動に対処する免震構造物の震動制御" 日本建築学会構造系論文集. 507号. 45-51 (1997)
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[Publications] 田村雅己: "一対の振動ジャイロを用いた振動外力を受ける構造物の曲げ歪計測" 日本建築学会構造系論文集. 509号. 59-66 (1997)