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1997 Fiscal Year Annual Research Report

ラン藻の溶原性ファージの溶原化の分子機構と海洋環境における役割

Research Project

Project/Area Number 09490034
Research InstitutionTokai University

Principal Investigator

大城 香  東海大学, 海洋学部, 教授 (90101104)

Keywordsラン藻 / 溶原性ファージ / シアノファージ / Phormidium / Trichodesmium / シアノバクテリア / カリブ海 / 海洋環境
Research Abstract

(1)沿岸から外洋まで多くの種の分布が知られているLPPグループのPhormidium属ラン藻に溶原性ファージが感染している可能性を溶原性ファージの溶菌サイクルを人工的に誘起する方法で検討し、異なった海域から分離した25株の60%に当たる16株が溶原ファージに感染している可能性を示した。5株については電子顕微鏡を用い溶菌過程の細胞中にファージ粒子が出現することを確認した。細胞溶解液から分離したファージは形態からCyanomyoviridae科とCyanostyloviridae科に属するファージと考えられ、同属のラン藻を宿主に多様なファージが溶原化していることが明らかになった。Phormidium属を宿主とするファージの多様性は、免疫学的手法とDNAハイブリダイゼーション法によっても確認された。分離ファージの他種ラン藻への感染は調べた範囲では全く起こらず、溶原性シアノファージは宿主特異性が高い可能性が示唆された。(2)熱帯、亜熱帯外洋に普遍的に生息し現存量が大きく窒素固定能を持つラン藻Trichodesmium sp.の海洋における現存量の調節に溶原性ファージが関与している可能性を培養系を及び1996年5月にカリブ海(ベリ-ズ共和国)で採取したTrichodesmium試料を用いて検討した。培養系Trichodesmium(NIBB1067株)は人工的に溶菌サイクルを誘起する方法で細胞溶解が観察され、溶菌過程ファージ類似粒子が出現すること、溶菌液からCyanopodoviridae科に属する形態を持った粒子が分離されたことから本株が溶原性ファージに感染していると考えられた。電子顕微鏡を用いた予備的な調査ではあるがカリブ海で採取した細胞にも溶原性ファージが感染している可能性が観察された。これらの結果からはしばしば海洋で観察されるTrichodesmiumの急速な消滅の原因に溶原性ファージの関与が考えられ、Trichodesmiumを含む食物連鎖にファージが重要な役割を果たしている可能性の高いことを示している。
本研究で得られた成果の一部は原核光合成生物に関する国際シンポジウム(1997年9月於ウィーン)、第1回海産シアノバクテリアと関連生物に関する国際シンポジウム(1997年11月於パリ)で発表した。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Kaori Ohki,Saori Honjho: "Oceanic picophytoplankton having a high abundance of chlorophyll b in the major light harvesting chlorophyll protein complex." Photosynthesis Research. 53. 121-127 (1997)

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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