日英両国における医療保障・福祉サービスに関する比較研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09490035
• Research Institution: Nihon University
• Principal Investigator: 真屋 尚生 日本大学, 商学部, 教授 (40096912)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 堀田 一吉 慶應義塾大学, 商学部, 助教授 (60209252) ; 吉田 達雄 日本大学, 商学部, 教授 (50098109) ; 片山 容一 日本大学, 医学部, 教授 (00125048) ; 林 成之 日本大学, 医学部, 教授 (10059503) ; 野崎 貞彦 日本大学, 医学部, 教授 (40198586)
• Keywords: 高齢化 / 健康 / 医療サービス / 社会サービス / 介護 / コミュニティ・ケア / 社会保障 / 社会保険

Research Abstract

人間の叡智によって社会が発展し、科学技術が進歩していくかぎり、医療福祉サービスのあり方も絶えることなく変化し続けていく。本年度は、科学者にとっては、この変化を人間の福祉と健康にとってより好ましいものにしていくための科学的な研究に裏付けられた政策提言を行うことが、その社会的責任の一部であることを研究グループとして再確認し、次のような応用的・実践的な課題に取り組んだ。
(1) 前年度の研究成果をふまえ、これらをさらに発展させる形で、医療保障・福祉サービスに関連する諸制度の改革と脳卒中医療をめぐる日英両国の対照的な側面に焦点を合わせた研究活動を推進し、オックスフォードと東京で開催したセミナーとワークショップにおいて、最終研究年度に向けての課題の確認に努めた。
(2) 東京都青梅市における高齢者福祉の実態に関する調査をオックスフォード大学を中心にしたイギリスの研究者グループと合同で実施し、コミュニティ・ケアのあり方をめぐる日英両国の相違を確認した。
こうした作業を通じて、本年度は、本研究グループが最終的に目指している福祉社会からさらに一歩進んだ「誰もが、ある種の能力の有無・強弱・多少,また心身の障害の有無・軽重を問わず、その持てる肉体的および精神的な可能性を社会との関わりにおいて最大限に発揮しうるような健康社会」を構築するための論議を高めていくに際しては、次の諸点についての考察が不可欠であることを確認した。(1)医療福祉サービス改革の社会経済的な背景。(2)改革に際しての固有の政策目的と政策手段の整合性。(3)改革の社会経済的な意義。(4)改革の理論的根拠。(5)改革の範囲。(6)作業仮説の妥当性。(7)過去および現時点における政策の成果と問題点。(8)改革に要する予算と財源の調達方法。(9)改革を推進する主体。

Research Products

• [Publications] 真屋尚生: "Social Equality as regards Social Insurance in Japan" 商学研究. 14. 1-14 (1998)
• [Publications] 真屋尚生: "日英比較研究から考える新たな医療福祉政策(上)-健康社会の構築を目指して-" 社会保険旬報. 1985. 6-11 (1998)
• [Publications] 真屋尚生: "日英比較研究から考える新たな医療福祉政策(中)-健康社会の構築を目指して-" 社会保険旬報. 1986. 12-16 (1998)
• [Publications] 真屋尚生: "日英比較研究から考える新たな医療福祉政策(下)-健康社会の構築を目指して-" 社会保険旬報. 1987. 18-23 (1998)
• [Publications] 真屋尚生: "簡易生命保険の社会経済的機能と資金運用" 労災保険財政研究会研究資料(個別研究編). 137-153 (1998)
• [Publications] 真屋尚生: "健康と福祉に関する学際的研究-日本大学とオックスフォード大学の共同研究-" 週刊社会保険. 52-2010. 20-23 (1998)
• [Publications] 真屋尚生: "大変革期における生活再編(コメント)" 生活経済学研究. 14. 111-114+124 (1999)
• [Publications] 真屋尚生: "消費者の視点からみた保険ビッグバン" 季刊桜門春秋. 76. 34-40 (1998)
• [Publications] Katayama, Y.er al.: "Post-stroke pain control by chronic motor cortex stimulation" Journal of Neurosurgery. 89. 585-591 (1998)
• [Publications] Katayama, Y.er al.: "Multiple chroid plexus popilloma of the lateral ventricle" Journal of Neurosurgery. 88. 581-585 (1998)
• [Publications] Katayama, Y.er al.: "Peripheral type primitive neuroectodernal tumor arising from the tentorium" Journal of Neurosurgery. 90. 141-144 (1999)
• [Publications] 吉田達雄: "Government's Failures and Regulalions Executed by the Government" 商学研究. 14. 15-23 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳温管理を駆使した脳蘇生治療" 最新医学. 53巻2号. 154-160 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳外科疾患に対する脳低温療法-知的機能障害の予防を中心に-" 老年期痴呆. 12巻1号. 71-78 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳損傷に伴う知的機能障害に対する脳低温薬物補充併用療法" 虚血性神経細胞死. (別刷). 174-183 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳低温療法とは" ICUとCCV. 22巻1号. 1-6 (1998)
• [Publications] 林 成之: "重症脳損傷に対する新しいアプローチ.脳低温療法" 脳21. 1巻1号. 6-9 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳温管理と補充療法を駆使した脳治療法の新しい展開" 脳21. 1巻1号. 47-55 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳梗塞に対する急性期の脳低温療法" 老年医学. 36巻5号. 719-724 (1998)
• [Publications] 林 成之: "医療の原点を視点においた機能的ICU" 第25回日本集中治療医学会学術大会記録. 5巻. 421-422 (1998)
• [Publications] 林 成之: "蘇生限界から脳死に至る病態解析と早期脳死判定の工夫" 最新医学. 53巻10号. 36-42 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳低温療法の理論と限界" 総合臨床. 47巻9号. 2466-2468 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳疾患に対する最初の低体温療法" クリティカル ニューロサイエンス. 16巻8号. 116-117 (1998)
• [Publications] 林 成之: "心肺機能停止後の脳蘇生と脳低温療法" CPR救命蘇生. 139-145 (1998)
• [Publications] 林 成之: "低体温から脳低温療法への展開(2)" いずみ. 45巻10号. 20-21 (1998)
• [Publications] 林 成之: "低体温療法の疑問点と脳低温療法" ヒューマンサイエンス. 9巻6号. 14-18 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳低温療法“神経・栄養・免疫不全の治療法"" 第35回日本外科代謝栄養学会. 1-11 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳低温療法が脳死プロセスに及ぼす影響" 脳蘇生と脳死. 15-18 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳損傷に対する脳低温療法とその補充療法-脳低温管理と下垂体・免疫および精神賦治-" 脳蘇生と脳死. 105-119 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳蘇生から脳死、臓器移植へのスイッチ" 脳蘇生と脳死. 187-192 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳体温療法から脳低温療法へ" 脳低温療法の基礎と臨床. 85-93 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳低温療法の成否を決定する技術的な問題点と対策" 脳低温療法の基礎と臨床. 95-108 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳温管理による脳保護治療と今後の展開" 脳低温療法の基礎と臨床. 109-113 (1998)
• [Publications] 林 成之: "全身循環代謝管理法を導入した脳低温療法の展開(1)" いずみ. 45巻9号. 22-23 (1998)
• [Publications] 林 成之: "蘇生限界から脳死に至る病態解析と早期脳死判定の工夫" 最新医学. 53巻10号. 36-42 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳低温療法の理論と限界" 総合臨床. 47巻9号. 2466-2468 (1998)
• [Publications] 林 成之: "脳低温療法・世界の研究者が一堂に会す" メディカル朝日. 28巻1号. 48-49 (1999)
• [Publications] 林 成之: "見直される低体温療法-脳低温療法-" 治療. 81巻1号. 71-75 (1999)
• [Publications] 林 成之: "心停止と蘇生後脳症の集中治療" 集中治療. 11巻1号. 13-22 (1999)
• [Publications] 林 成之: "脳低温療法には全身循環代謝管理は必須(3)" いずみ. 46巻1号. 22-23 (1999)
• [Publications] 堀田一吉: "アンダーランティングの自由性と保険原理" 保険研究. 50集. 265-294 (1998)
• [Publications] 堀田一吉: "自由競争の進展と残余市場の創設問題" 損傷保険研究. 60巻3号. 71-96 (1998)
• [Publications] 堀田一吉: "ヒトゲノム解析計画と生命保険" 慶應保険論集. 2集. 1-4 (1998)
• [Publications] 堀田一吉: "自動車保険市場の環境変化と将来課題" 交通法研究. 27号. 近刊 (1999)
• [Publications] 西村万里子: "高齢化をめぐる変化と議論の論点整理" 協同組合総合研究所1998年6月研究報告書. Vol.19. 24-33 (1998)
• [Publications] 西村万里子: "特集:21世紀・日本・社会保障 医療保障制度改革の検討過程・論点と方向性" 経済学雑誌(大阪市立大学). 99巻5-6号. 5-18 (1999)
• [Publications] 小梛治宣: "我が国の公的介護保険と福祉先進国の現状" 桜門春秋(日本大学). 77号. 35-40 (1998)
• [Publications] 小梛治宣: "ビスマルク社会保険の「効果」に関する一考察(予定)" 経済集志(日本大学経済学研究会). 69巻1号. 発表予定のため未定 (1999)
• [Publications] 西村万里子: "健康状態・健康保持行動と就業-公共政策における高齢者の健康状態と就事政策-" シルバー人材センター会員等の健康保持に関する基礎調査研究報告書. 29-60 (1998)
• [Publications] catherine Rubinstein (ed.)真屋尚生: "(共著)UK and Japan : Gevernment and Society Series II" The Daiwa Anglo-Japanese Foundation, 179 (1998)
• [Publications] 『新・社会福祉学習双書』編集書員会(編)真屋尚生: "(共著)社会保障論" 全国社会福祉協議会, vit199 (1998)
• [Publications] ベイラー会・慶耳会(編)真屋尚生: "(共著)五十嵐眞先生に感謝する会の記録" ベイラー会・慶耳会, 93 (1998)
• [Publications] 西村万里子(編): "先進諸国の社会保障2" 東京大学出版会, 380 (1999)
• [Publications] 林成之 片岡嘉由: "脳低温療法の基礎と臨床" 総合医学社, 113 (1998)