1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09490037
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Research Institution | Takaoka National College |
Principal Investigator |
三船 温尚 高岡短期大学, 産業工芸学科, 助教授 (20181969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小堀 孝之 高岡短期大学, 産業工芸学科, 教授 (30279856)
菅谷 文則 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (10275175)
横田 勝 高岡短期大学, 産業工芸学科, 教授 (10029225)
清水 康二 奈良県立橿原考古学研究所, 調査第二課, 主任研究員 (90250381)
清水 克朗 高岡短期大学, 産業工芸学科, 講師 (70235646)
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Keywords | 鏡范真贋判定 / 草葉文鏡范材質 / 草葉文鏡范比重 / 焼き入れ実験 / 面反り / 不陸 / 多鈕細文鏡 / 鋳造痕跡 |
Research Abstract |
平成11年度は、鏡范の科学的分析、熱処理実験ならびに鏡調査の三方法で研究を進めた。藤井有鄰館(京都市)所蔵の草葉文鏡范、白水(東京)所蔵の草葉文鏡范、方格規矩四神鏡范、画文帯神獣鏡范の4范について、奈良教育大学長友恒人研究室において、熱ルミネッセンス真贋判定ならびに比重測定、材質判定を行った。草葉文鏡萢2片については、真物に近い年代が分析されたが、画文帯鏡范は新しすぎ、方格規矩鏡は古すぎる年代が算出された。方格范については今後、X線分析により鉱物質の判定を行うことになり、草葉文鏡范はガンマ線スペクトル分析により、更に正確な年代を算出する事となった。また、草葉文鏡范の比重が0.75という軽さで、その材質判定を地質学者と判定を試みたが判明せず、今後、デジタルマイクロスコープ観察を行うこととなった。近年、中国山東省で出土した、草葉文鏡范の比重を中国の共同研究者に測定してもらったところ、0.85で共通性が高く、この材質の特定が急がれるところとなった。 鏡の熱処理(焼き入れ)実験の第4回目を行い、15枚の平面の模造三角縁神獣鏡、方格規矩鏡を焼き入れした。ただ、反りがやや強く、三角縁鏡で約8mm浮いた反りになり、鏡縁を伏せたときの不陸が約1mm発生し、この改善方法は見つけ出せなかった。これらの実験鏡はX線撮影や科学的分析を行い、工学的資料も収集した。泉屋博古館において、実際の鏡の反り率と、不陸を計測し、焼き入れ実験鏡と比較検討した。 東アジアでも特異な凹面鏡である多鈕細文鏡に関して、韓国の中央博物館、扶餘博物館、光州博物館で鋳造痕跡を調査した。 鏡背文様の朦朧とした鏡に関して橿原考古学研究所博物館(橿原市)所蔵の画文帯神獣鏡、内向花文鏡をデジタルマイクロスコープで観察し、踏み返しによる製作法との関連を考察した。
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Research Products
(1 results)