1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09490040
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Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
樋口 隆康 奈良県立橿原考古学研究所, 所長 (30025035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 萃 京都教育大学, 教授 (30025069)
伊達 宗泰 花園大学, 文学部, 教授 (50131298)
今津 節生 奈良県立橿原考古学研究所, 資料室, 保存科学研究室長 (50250379)
寺沢 薫 奈良県立橿原考古学研究所, 調査第1課, 総括研究員 (90250365)
河上 邦彦 奈良県立橿原考古学研究所, 調査研究部, 調査研究部長 (80271584)
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Keywords | 前期古墳 / 大和 / 石室 / 墳丘の構築 / 花粉分析 / 副葬品の配置 |
Research Abstract |
古墳群成立に関する考古学的、自然科学的な検討検討 大和古墳群に関する考古学的な検討の一環として、黒塚古墳の発掘調査に関連する考古学的な検討を進めた。調査の結果、黒塚古墳は未盗掘であり、遺物の大半が原位置のままで残っていることが判明した。そこで、出土した大量の三角縁神獣鏡をはじめ、各種の鉄器類、有機遺物に関して、発掘現場において考古学・保存科学をはじめとした各研究分担者による詳細な検討を行った。その結果、有機物を介在とした副葬品の配置の仕方、取り扱いの違いなどについて画期的な成果を得ることができた。この成果の一部は、研究分担者の河上が日本考古学協会第64回総会において研究発表する予定である。 下池山古墳の墳丘構築時に赤と黒に染め分けた麻布が使用されていることが土壌の分析調査と考古学的な調査の連携によって判明した。墳丘の構法や祭祀を考える上で貴重な発見であり、染色技術の上からも画期的な発見である。この成果は研究分担者の今津が日本考古学協会第64回総会において研究発表する予定である。 また、新たに研究協力者の参加を得て、石室破壊に関する地震考古学的な研究、繊維を中心とする残存有機遺物の研究、銅鏡を中心とした遺物の精密計測に関する研究を開始した。 古墳群の立地に関する環境および地理学な検討 黒塚古墳の墳丘の断面土壌を対象に花粉分析、プラントオパール分析を実施した。しかし、砂質の土壌のために花粉やプラントオパールのほとんどは分解していた。そこで、当初予定していた墳丘のボーリング調査は成果が期待できないので本年度は実施しなかった。
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