1997 Fiscal Year Annual Research Report
電波天文観測用高速並列処理型デジタルフィルターLSIの基礎開発研究
Project/Area Number |
09554005
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
川辺 幸子 (奥村 幸子) 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (20224842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 則幸 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90214618)
砂田 和良 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (90270454)
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Keywords | 電波天文学 / 並列処理 / デジタルフィルター / 信号処理 / LSI / 分光観測 |
Research Abstract |
本研究は、電波観測の広帯域データのデジタル信号処理には必須の、並列デジタルデータに対するフィルタリング処理を行なうデジタルフィルターLSIを設計・試作し、試験を行うことを目的とする。平成9年度は、主に高速並列処理型デジタルフィルター回路の概念設計を行った。まず、電波天文以外の(主に通信)分野でのデジタルフィルターの設計方法や実現されているフィルタリングの精度等について調査した後、電波天文観測に必要な以下の要求を満たす設計を行った。 (a)最高サンプリング周波数2GHz(32MHzクロックで64並列)の入力データに対応。 (b)異なる帯域幅(最大帯域幅の1/2,1/4,1/8,1/16,1/32,1/64)のデータを出力できる。 設計の際、当面の応用は野辺山宇宙電波観測所で稼働中のデジタル分光相関器であるが、将来の大型ミリ波サブサブミリ波干渉計の信号処理の際にも、回路構成は変更せずクロック速度を上げるだけで対応可能であることが確認できた。また、(b)については、3種類のフィルター設計のパラメータについて、各帯域幅でフィルタリングのシミュレーションを行い、電波天文学に使用する際に十分な精度が得られるパラメータを決定した。現在(98年3月)は、概念設計の最終段階として、今後のデバッグを容易にするために構成回路のユニット化を行っている。概念設計終了後は、回路をプログラマブル高集積LSI(FPGA)内で実現するための詳細設計に進予定である。
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