1997 Fiscal Year Annual Research Report
高精度スペース光学望遠鏡の精密可動メカニズムの開発
Project/Area Number |
09554006
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
常田 佐久 国立天文台, 太陽物理学研究系, 教授 (50188603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 正夫 三菱電機(株), 先端技術総合研究所, 主任研究員
原 弘久 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (20270457)
一本 潔 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助教授 (70193456)
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Keywords | 宇宙望遠鏡 / 可動鏡 / チップ・テイルトミラー / 太陽コロナ / ロケット実験 |
Research Abstract |
本研究は、観測ロケットや衛星の姿勢変動を補償するための可動鏡(Tip/tilt mirror)の設計・試作、および高信頼性・多自由度・副鏡駆動機構の設計を行ない、機構・駆動コンセプトの確立、宇宙で使用するための各種評価試験を行なうことを目的としている。第1年目は、観測ロケット搭載XUVドップラー望遠鏡を対象として、観測ロケットや衛星の姿勢変動を補償するための2軸可動鏡(Tip/tilt mirror)及びX線光学系システムの開発研究を行なった。モデル光学系は、主鏡と副鏡よりなるカセグレン光学系であり、副鏡の2軸制御により焦点面での画像を安定化させた。X線ミラーが大きいこと、高い信頼性を要することから、磁気吸引方式の高速2軸可動鏡の試作を行なった。また、打ち上げ時の振動・衝撃から精密駆動システムを守るため、launch lock機構も合わせて開発した。Launch lock機構は、打ち上げ時にはflex pivotなどを保護し、上空でコマンドにより機械的拘束を解く機構である。また、制御は位置感能検出素子によるclosed loop制御により行なった。従来はアナログPID回路により制御ループが組まれていたが、本研究では高速CPU(Digital Signal Processor)にるソフトウエア制御を行なった。試作品は、動作性能評価、振動環境試験を行なったのち、1998年1月31日に宇宙科学研究所の観測ロケットにより打ち上げられ、CCDカメラのX線画像を5秒角の精度で安定化することに成功した。
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