1999 Fiscal Year Annual Research Report
水中に溶存するラドンを超高感度かつリアルタイムで測定する装置の開発と研究
Project/Area Number |
09554008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 康雄 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (60272522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 茂樹 岐阜大学, 教育学部, 教授 (60155059)
梶田 隆章 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40185773)
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Keywords | ラドン / 静電捕集 / スーパーカミオカンデ / 太陽ニュートリノ / カミオカンデ / 中空糸 |
Research Abstract |
今年度はノイズを少なくしより高電圧をかけるための新しい電子回路装置を試作した。これまでの電子回路は-1500V程度までしか安定でなかったが、試作した新電子回路により-6000V程度まで電圧が安定してかけられることがわかった。-1500Vから-6000Vまでの範囲で、ラドン娘核の検出率の電圧特性を測定した。同じ濃度のラドンを含む空気に対して、絶対湿度が数グラム/m^3の領域ではスーパー神岡実験で用いられていたラドン検出器(容積70L)の5〜6倍程度の検出率の増加が認められた。絶対湿度のさらに低い領域および更に高電圧での検出率測定は今後の課題である。 水中からラドンをリアルタイムで抽出するために本研究では中空糸モジュールを使用することにした。市販されている数社のモジュールを試験し最もラドン放出量の少ないモジュールを選んだ。測定されたラドン放出量は1モジュールあたり0.02mBq/day以下であり、中空糸モジュールからのラドン放出は無視できる。この中空糸モジュールを我々の950Lラドン検出器に合うように特注で加工をし、本研究の最終目標である水用高感度ラドン検出器を試作した。現在、この検出器とスーパーカミオカンデの純水を用いて検出効率の測定試験を行っている。現在までに仮の結果として、本研究で試作した検出器の脱気水に対する校正定数は、2〜4(count/day)/(mBq/m^3)が得られた。これまで使用されていた検出器の脱気水に対する校正定数は0.3(count/day)/(mBq/m^3)程度であったので、期待通りに性能が向上したと予想される。今後、脱気されていない純水を用いたラドン検出率の校正、ラドン濃度特性、水の流量特性などのより正確な校正実験を行う予定である。
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Research Products
(1 results)