1998 Fiscal Year Final Research Report Summary
最高エネルギー宇宙線観測用、人工衛星搭載型大気蛍光センサーの開発的研究
Project/Area Number |
09554009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 展開研究 |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 真人 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40242094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 広市郎 株式会社 松定プレシジョン, 技術部(研究職), 主任
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Keywords | 最高エネルギー / 宇宙線 / 人工衛星 / 大気蛍光 / マイクロチャンネルプレート / イメージ インテンシファイヤー / CCD |
Research Abstract |
本研究において、この超高エネルギー宇宙線を観測するための人工衛星搭載を前提とした撮像装置の設計、開発を行い、原理的・技術的問題点を調査した。 撮像原理は以下のようである。センサーは大口径イメージインテンシファイア(I.I.)部、光分配器、トリガー用マルチアノードPMT(MPMT)部、及びゲートICCDカメラユニット部から構成される。大口径I.I.は現在10cmの光電面を持ち、20kVの高電圧により、光電子が加速・収束され2.5cm径の出力蛍光面(P-47)で光となる。光分配器ではミラーにて大口径I.I.からの光を7:3に分光する。70%は後段のICCDカメラユニット部へ30%はトリガー用MPMTへ配光される。トリガー用MPMTには64chメッシュダイノード型のものを用い、波形情報をデジタル化し3Dパターン認識からトリガーを判定する回路(平成10年科研費、特定A公募「大気蛍光検出器におけるDSPを用いたインテリジェントトリガー」、150万円)を用いてトリガーを生成する。また、MPMTからの波形信号で蛍光到来時間もわかる。ゲートICCDカメラユニット部はMCP内蔵型近接I.I.部とCCDカメラ部から構成される。MCP内蔵型近接I.I.は前にインバーターI.I.をつけ、P-20蛍光体から光をマイクロチャンネルプレート(MCP)2段に伝え、P-43蛍光面により高利得を有する。また、トリガー部からのゲート信号入力により、ゲート時間のみMCPで増幅する。ゲート時間は5ns以上で随意に変化できる。ゲートの遅延時間は約100nsある。MPMTの波形から蛍光到来時間も10nsの精度で分かる。CCDカメラ部には240万画素の高感度CCDをレンズ結合で用い、P-43蛍光面からの光を高い結合効率で撮影ができるようにした。直接大気蛍光をCCDで受光せず、前段として通常の光電子増倍管のようにフォトカソードにて光電子変換させ、静電フォーカスによって中央部のマイクロチャンネルプレート(MCP)の上面に電子を加速収束させMCPにて電流増幅を行い、その電流分布をCCDにて高精度に撮像する。 センサーとして残る課題は、静電収束部のさらなる大口径化(1m径)である。また、20m径鏡を宇宙空間で構築する方法の確立を目指す。
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