1997 Fiscal Year Annual Research Report
岩石・鉱物中からの多様連続方式ガス抽出・精製装置の開発
Project/Area Number |
09554023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
兼岡 一郎 東京大学, 地震研究所, 教授 (30011745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 弥生 東京大学, 地震研究所, 助手 (90282730)
瀧上 豊 関東学園大, 法学部, 助教授 (40206909)
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Keywords | ガス抽出 / ガス精製 / 岩石・鉱物 / 多様方式 / 破砕法 / レーザー加熱 / 加熱法 / 希ガス |
Research Abstract |
本年は、岩石・鉱物からのガス抽出方式についての個々の検討を行った。破砕法については、真空バルブを一部改造して、その底部において岩石・鉱物粒がバルブを閉める際の圧力によって破砕され、その際に試料中から脱ガスされた成分がそのままガス精製ラインに導入されるような装置を開発した。この方式では試料の量としては数g程度しか効率よく破砕されないが、通常の真空ラインにおけるバルブの開閉と同様の操作で破砕によるガス抽出が可能であるという長所がある。しかしこの形式のままでは、さらに加熱して内部の破砕された試料を融解し脱ガスさせることは難しいので、それを行う際に問題となる点を検討し、連続加熱を可能にする様式についての方式案を考察した。しかしそれらは、今年度には実際に試作して検討するまでには至らず、来年度に持ち越された。 一方、多様ガス抽出法のひとつとして、レーザー加熱を取り入れたガス抽出法をも検討した。この方法では、極微小部分からのガス抽出が可能なので、破砕法や通常の加熱法などと併用することによりさらに新しい情報を得ることができる可能性がある。本年度はYAGレーザーによる試料の融解の状況などをチェックして、希ガスや他の揮発性元素の抽出に十分な性能を持っていることを確かめた。これを他のガス抽出法と併用する際の真空系などについても検討したが、今年度中にはその試作までには至らなかった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 兼岡一郎: "デュパル異常と南太平洋地域の^3He/^4He" 月刊 地球. 号外No.18. 47-52 (1997)
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[Publications] 兼岡一郎・他: "希ガス同位体比とマグマ源の特性-現状と課題-" 火山「マグマ」特別号. 42. S313-S319 (1997)
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[Publications] Kaneoka,I.et al.: "^<40>Ar-^<39>Ar dating:Investigation of some technical problems and its application to the Deccan Trap rocks and a unique meteorite" Sci.Rep.RITU. A45 No.1. 47-51 (1997)
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[Publications] Hanyu,T. and Kaneoka,I.: "Magmatic processes revealed by noble gas signatures:the case of Unzen Volcano,Japan" Geochemical Journal. 31,No.6. 395-405 (1997)
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[Publications] Hanyu,T. and Kaneoka,I.: "The uniform and low ^3He/^4He ratios of HIMU basalts as evidence for their origin as recycled materials" Nature. 390 No.6657. 273-276 (1997)
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[Publications] 兼岡一郎: "長半減期核種による年代測定-最近の発展-" RADIOISOTOPES. 47,No.1. 34-45 (1998)
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[Publications] 藤原鎮男編 兼岡一郎分担執筆: "地球化学の発展と展望" 東海大学出版会, 394 (1997)
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[Publications] 兼岡一郎・井田喜明編: "火山とマグマ" 東京大学出版会, 240 (1997)