1999 Fiscal Year Annual Research Report
岩石・鉱物中からの多様連続方式ガス抽出・精製装置の開発
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09554023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
兼岡 一郎 東京大学, 地震研究所, 教授 (30011745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 弥生 東京大学, 地震研究所, 助手 (90282730)
瀧上 豊 関東学園大学, 法学部, 助教授 (40206909)
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Keywords | ガス抽出 / ガス精製 / 岩石・鉱物 / 破砕法 / 破砕効率 / 加熱炉 / レーザー加熱 / ブランク |
Research Abstract |
昨年までの試みをさらに続けて、岩石・鉱物からの各ガス抽出・精製方式についての検討を行った。昨年度開発した破砕法用の装置は、その破砕効率が90%程度まで上昇させることができたが、そのままでは真空を破ることなく試料を加熱することはできない。今年度は破砕後の試料を真空に保持したままその試料を直接加熱炉の導入する装置を設計・製作して、その効率等を検討した。この装置は破砕器ととしては真空バルブを改造したもので、直線導入端子のようにトルクをかけ、ステンレス棒を直線的に下降させて鉱物を破砕する方式である。破砕された鉱物試料は、そのまま破砕器の底を引き抜くことによって真空中で直接加熱炉に落下させ、それを加熱・溶解する。しかしこの方式では、破砕部の容積が約1000cc程度とかなり大きくなるので必然的にブランクが多くなり、さらに破砕効率が20ー50%程度しか得られないという問題点が明らかになった。そのためこのままでは、精密な測定を必要とする分析には不十分なので、さらに実用化に向けては改善をはかる必要がある。 またYAGレーザーを用いたレーザー加熱を取り入れたガス抽出法について、実際の岩石試料などを用いてその性能等を検討したが、レーザー・ビーム径が100ミクロン程度までしか拡大できないので、ある程度年代の古い試料の放射性起源核種であるHeやArなどについては測定可能であるが、それ以外の微小量の希ガス同位体比をある程度の精度をもって測定するためには、ビーム径が数100ミクロン以上に拡大できる、パワーの大きいレーザーを用いる必要があることを確認した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hanyu, T., Kaneoka, I., Nagao, K.: "Noble gas study of HIMU and EM ocean island basalts in the Polynesian region"Geochimica et Cosmochimica Acta. 63,7/8. 1181-1201 (1999)
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[Publications] Kaneoka, I.: "Recent activities of geochronological studies in Japan (1996-1997)"Phanerozoic Time Scale, Bull. Liais. Inform.. 15. 42-48 (1999)
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[Publications] 島岡晶子、今村峯雄、永井尚生、兼岡一郎: "Be同位体比からみた東北日本弧火山マグマへの海洋堆積物の寄与"MALT REPORT 1997(タンデム加速器研究部門成果報告集). 24-27 (1999)
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[Publications] Kaneoka, I., Takahashi, N., Arai, S.: "40Ar-39Ar analysis of phlogopite in the Horoman Pridotite Complex, Hokkaido, Japan"The Island Arc. (in press). (2000)
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[Publications] Iwata, N., Kaneoka, I.: "On the relationships between the 40Ar-39Ar dating results and the conditions of basaltic samples"Geochemical Journal. (in press). (2000)