1997 Fiscal Year Annual Research Report
DNA解析に基づく原生生物を用いた生物環境調査支援システムの構築
Project/Area Number |
09554025
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
北里 洋 静岡大学, 理学部, 教授 (00115445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 京子 新日本気象海洋株式会社, 環境情報研究所, 研究部員
千葉 聡 静岡大学, 理学部, 助手 (10236812)
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Keywords | 環境調査 / 生物環境指標 / 原生生物 / DNA / 有孔虫 / 珪藻 / データベース |
Research Abstract |
本研究は,原生生物を対象に,核DNAの塩基配列を解析して,環境指標種の遺伝子データベースを作ることを目的としている。そのために,環境指標となりうる原生生物のDNA解析を行い,DNAによる種カタログを作ることを第一の目標とする。その後,それぞれの種の環境情報データと組み合わせ,DNA塩基配列に基づいた生物環境調査支援システムを構築する。平成9年度は次のような研究を行った。1)環境指標種として使われたことのある原生生物を洗い出し,解析に必要な個体群を確保することを目指した。試料採集は,人間活動の影響を受けやすい内湾あるいは沿海の浜名湖・下田湾・松島湾で行った。また,米国,San Fransisco湾の有孔虫類も飼育した。有孔虫は内湾種のうち,低溶存酸素環境の指標であるAmmonia beccarii,富栄養化の指標であるTrochammina hadaiを重点的に解析した。飼育のためにインキュベータ-を購入した。2)飼育培養した原生生物,2種30個体からDNAを抽出した。DNAは原生生物に特異的に働くプライマーを用いてPCRを行い,増幅した。増幅部分は,ribosomal DNAのLSU,700塩基対およびSSU,500塩基対である。また,sequencingを行った。このためにDNAシークエンサーとウォーターバスを導入した。3)DNA解析に用いた種類は,走査型電子顕微鏡を用いて形態的な特徴を把握するとともに,写真を撮って記録した。4)DNA解析結果は,パーソナルコンピュータに保存し,データベースを作る準備を始めた。 平成9年9月には砂質有孔虫国際会議(International Workshop of Agglutinated Foraminifera)において,Trochammina hadaiのDNA解析についての講演を行い,また諸外国の原生生物を用いた生物環境指標についての情報を収集した。
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