1997 Fiscal Year Annual Research Report
ビスアミノ酸誘導体を配位子とするバナジウム錯体の合成とインスリン作用の評価
Project/Area Number |
09554040
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小嶋 良種 大阪市立大学, 理学部, 教授 (40047139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 英齋 サンヨーファイン株式会社, 研究開発部, 部長
柳原 尚久 帝京大学, 理工学部, 助教授 (40230271)
築部 浩 大阪市立大学, 理学部, 教授 (00144725)
桜井 弘 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30065916)
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Keywords | N,N'-エチレンビスアミノ酸 / オキソバナジウム錯体 / X線解析 / インスリン様作用 / 熱分析 |
Research Abstract |
1.グリシン(G)、アラニン(A)、バリン(V)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、セリン(S)、ヒスチジン(H)、スレオニン(T)、ザルコシン(mG or Gm)、プロリン(P)などの(S)体を出発物質として、N,N'-エチレンビスアミノ酸(XeX';GeG,AeA,VeV,MeM,FeF,SeV,HeY,HeT,TeT,mGeGmなど)とN,N,N',N'-ジエチレンビスアミノ酸(XeeX';SeeS,FeeF,VeeV,GeeG,HeeH,TeeT,SeeV,HeeT,HeeYなど)を合成した。 2.合成したXeXとXeeX'を配位子とするバナジル(V^<IV>0)錯体の合成を試みたが、残念ながらXeeX'の錯体の合成は、成功しなかったが、以下に記す多くのXeX'を配位子とするVO錯体の合成に成功した。合成したV0錯体は、[VO(GeG)H_2O]1、[VO(AeA)H_2O]2、[VO(VeV)H_2O]3、[VO(FeF)H_2O]4、[VO(mGeGm)H_2O]5、[VO(PeP)H_2O]6、[VO(SeV)H_2O]7、[VO(MeM)H_2O]8、[VO(TeT)H_2O]9、[VO(HeY)]10、[VO(HeT)H_2O]11などである。 1.X線解析によりVO錯体1、2、3、5、6、7と8の構造を明らかにした。それらの全ては、XeX'の2つのカルボキル基のO^-と2つのN、1つの水のO原子とバナジルのO^<2->原子が配位した歪んだ類似のOh構造を持っている。XeX'の2つのN原子の1つは、バナジルのO^<2->原子のトランス位に位置している。また錯体10は、HeYの2つのカルボキル基のO^-、2つのNとヒスチジンの1つのエナミンN原子およびバナジルのO^<2->原子が配位した歪んだ類似のOh構造を持っているが、HeYのチロシンの側鎖は、配位に関与していない。また、錯体の熱分析(TGとDTA)、電子、CD、ESRとIRスペクトルの測定も行った。 2.2.で合成したin vitroでの脂肪細胞からの遊離の脂肪酸の抑制作用をテストすることにより、インスリン様作用の効果を測定した。臨床で用いられている硫酸バナジル(IC_<50>=6.0mM)と比較して、錯体1のIC_<50>は0.42mMと最も高い値を示した。
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