1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09555019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
雨宮 慶幸 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助教授 (70151131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 祐司 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助手 (60282498)
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Keywords | 偏光顕微鏡 / シンクロトロン放射 / 高分解能X線検出器 / X線ポラリメーター |
Research Abstract |
本研究では、X線偏光顕微鏡の開発を行うことが目的である。我々が提案するX線偏光顕微鏡は、X線ボラリメータと高分解能X線検出器を組み合わせるものである。X線ポラリメータは、我々のグループが世界に先駆けて開発したもので、X線偏光子、X線位相子、X線検光子よりなり、波長が変化しても高い消光比(10^6以上)を有する。このX線ポラリメータには、従来、ビーム拡大機能がなかったが、これに新たにビーム拡大機能を付加する設計を行い、16〜81倍の拡大率を実現する。X線検出器には高分解能(分解能:1ミクロン)で2次元の位置分解能を有するものを開発する予定である。 今年度は、主に高分解能X線検出器の設計と製作を行った。X線検出器には冷却型CCDを用いた。画素サイズ12ミクロン角、画素数1024×1024のCCD(浜松ホトニクス製)を採用した。CCDの前部にとりつける拡大光学系は、光ファイバーと光学レンズの両方を比較して検討した。その結果、光学レンズを採用することとした。その理由は、倍率が変化できること、高倍率が実現できることである。倍率は1倍〜20倍で変化できる。X線を可視光に変換する蛍光体は、Gd_2O_2S:TbとCslを検討した。感度を上げるために蛍光体の厚さを10〜20ミクロンに保ったまま、1〜2ミクロンの高分解能を如何に実現するかが今後の課題である。今後、LIGA技術を用いてコラム状に蛍光体を塗布する技術に挑戦する予定である。また、位置合わせのために、X線検出器の位置を微調できるメカニズムを取り付けることが必要である。現在、X線検出器の性能を評価するために実験を行っている。
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