1997 Fiscal Year Annual Research Report
磁気・電子・光学部品ガラスのサブナノメータ加工システムと多目的加工機械の創作研究
Project/Area Number |
09555036
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
江田 弘 茨城大学, 工学部, 教授 (60007995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 佳男 茨城大学, 工学部, 講師 (20272114)
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Keywords | 磁気・電子・光学部品 / ガラス / セラミックス / き裂なし加工 / 引っかき試験機 / 電子顕微鏡 / 動画観察 / サブナノメータ加工 |
Research Abstract |
平成9年度の研究は、磁気・電子・光学部品ガラスのサブナノメータ加工とそのシステム開発、並びに開発する多目的加工機械の実用化基礎実験を行うことである。申請書に記載した通り、ガラスの電子顕微鏡内引っかき試験機を設計することから始めた。 1.二次電子検出器、2.高真空ユニット、3.二次電子観察ユニット、4.CRT写真撮影装置を組み上げた。同時に引っかき過程を動画処理するために、5.電子シャッターが用いられ、1/60sec〜1/3,000secで微小塑性領域のその場観察が行われる。以下にH9年度申請の進捗過程で得られた実績を記述する。 〔実績1〕磁気・電子・光学部品に用いるガラスの微小領域発現のその場動画観察を世界で初めて成功した。この結果をドイツ、ブラウンシュバイクの第4回超精密国際会議で、日本代表として発表し、ガラスの塑性研削が認知された。 つまり、一般の鉄鋼材料の如く、切りくずが破砕されずに、連続的に流出することを実証した。この実績により、遠方宇宙観測、探査、コンピュータの記憶容量増大、高速計算が可能となる。 〔実績2〕ガラスを全くき裂を発生させずに、超平滑表面が創成できるので、安全性、信頼性が大幅(ほぼ弾性限界まで)に向上し、使用できる。つまり、強化ガラスでは約100MPa辺りまで、従来の3〜5倍まで設計条件を厳しく制約を受ける条件まで可能である。 平成10年度は、この微小塑性条件を実現しつつ、大口径加工が可能な多目的加工機械開発に入る。
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[Publications] 江田 弘: "工作機械・生産加工進化のニューテクノワールド" 日本機械学会論文集(C編). 63・614. 3321-3326 (1997)
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[Publications] 江田 弘: "切削・研削・研磨・粒子加工技術の動向" 日本機械学会誌. 100・945. 887-889 (1997)
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[Publications] H.Eda, L.Chouanine: "On the Super Smooth Surface Generation Under Subnanometer Order Grinding Condition of Glasses" Proc.Int.Conf.MM21 (1997・7・24). 323-328 (1997)
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[Publications] H.Eda, J.Shimizu: "Microscopic Analysis of Abrasive Wear Process" Proc.Int.Conf.MM21 (1997・7・24). 305-311 (1997)
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[Publications] L.Chouanine, H.Eda: "Analytical Study on Ductile-Regime Scratching of Glasses Using Gharply Pointed Tip Diamond Indenter" Int.Jour.JSPE. 31・2. 109-114 (1997)
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[Publications] H.Eda, L.Chouanine: "Sub-nanometer Precision Grinding of Optical and Electron Glasses under Ductile-Regine Conditions" Proc.4th Int.Conf.on UME (1997・5・28). 351-355 (1997)
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[Publications] 江田 弘 他5名: "知的複合材料と知的適応構造物" 日本機械学会編(養賢堂), 198 (1996)
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[Publications] 江田 弘(編集)他多数: "生産加工の原理" 日本機械学会編(日本工業新聞社), 369 (1998)