1997 Fiscal Year Annual Research Report
ナノメートル精度を持つ光線基準の開発と大型部品の超高精度平面度測定への応用
Project/Area Number |
09555045
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島田 尚一 大阪大学, 工学部, 助教授 (20029317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小村 明夫 日立造船(株), 技術開発本部事業開発総括部, 副参事(研究者)
打越 純一 大阪大学, 工学部, 助手 (90273581)
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Keywords | 直線基準 / 光線基準 / レーザービーム / 方向安定性 / 直進機構 / 真直度 / 平面度 / 形状測定 |
Research Abstract |
本研究は方向安定化レーザービームを直線基準として利用し、1m程度の大型部品の形状を10nm精度の高い精度で測定できる超高精度表面形状測定法の開発を目的としている。本年度の主な研究結果を以下に示す。 1.ビーム光路の空気の流れによるじょう乱を防ぐために、ベローズと真空排気系を用いたストローク1mの可動真空光路を設計、製作しビームの位置及び方向安定性を向上させた。 2.回折理論にもとづく計算機シミュレーションによって、レーザービーム断面の強度中心を追跡する手法を開発し、共振器ミラーにミスアライメントがあっても、時間変動がなければ原理的に1nmレベルの精度を持つ直線基準として使用できることを示した。 3.外部共振器ミラーを、線熱膨張係数が1×10^<-7>/Kの低熱膨張ガラス(Zerodur)製の3本のロッドで支持した円板に固定し、更にプラズマ管をウォータージャケットで水冷するとともに、二重ガラスの真空層で断熱することにより、ロッド間の温度差による、共振器ミラーの傾きが2×10-7rad/Kの方向安定He-Neレーザーを設計、試作した。 4.レーザービームを、直交する2軸方向をピエゾアクチュエータで支持された4分割フォトダイオード(QPD)の中心に入射し、ビームの方向変動に基づくQPD中心からのビーム中心の変位量に応じてピエゾアクチュエータを2を次元的に駆動することにより常にQPD中心がビーム中心を追尾するポジションセンサによって、試作したレーザー方向安定性を評価し、水平方向で68nrad、垂直方向で160nradであることを確かめた。 5.試作したレーザーの方向安定性の温度特性は室温の変化に対して700nrad/Kであり、温度変動を0.01K以下にすることにより10nrad以上の安定性が得られることを確認した。
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