1999 Fiscal Year Annual Research Report
自動車用燃料噴射ポンプの耐摩耗性向上に関わる材料及び燃料油添加剤の開発と評価
Project/Area Number |
09555052
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
益子 正文 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60111663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 肇 ユシロ化学工業株式会社, 技術研究所, 部長(研究職)
鈴木 章仁 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30235931)
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Keywords | トライボロジー / 自動車用燃料 / 摩擦・摩耗 |
Research Abstract |
本年も昨年に引き続き、軽荷重条件で摩擦試験を行うことが可能な,転がり軸受用鋼球(SUJ2軸受鋼製,呼径11/32")とコロ(SUJ2軸受鋼製,φ10×L14)との摩擦を行う往復動型摩擦試験機を用い試験を行った.本年度は,市販され実際の軽油に添加実績のある耐摩耗添加剤を用い,今後自動車用ディーゼル燃料油としての用途増加が期待される分解軽油に着目し,それに深度脱硫を行った場合に考えられる潤滑上の問題点を検討した.特に分解軽油中に多く含まれる芳香族留分によって耐摩耗添加剤の効果に差異が生じるかを検討するため,モデル軽油を作製して,耐摩耗添加剤の効果に及ぼす組成の影響を調べた. モデル軽油としてヘキサデカンを用い,他の飽和炭化水素成分としてデカリンを,芳香族留分のモデルとしてブチルベンゼン,テトラリンを用い,適宜混合してその影響を検討した.その結果,芳香族含有モデル軽油では,添加剤は10〜20ppm効き始めており、ヘキサデカンおよびヘキサデカン+デカリンの飽和炭化水素のみのモデル軽油より低濃度から効果を発揮することが明らかとなった.また,わずかな酸化劣化が及ぼす影響を見るため試料油に紫外光を照射して過酸化物を生成させた試料油も用いた.酸化によって生じた過酸化物が,添加剤の摩擦面への吸着を妨げるためか,劣化油では添加剤の効果が劣ることが明らかとなった.
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