1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09555061
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
上野 和之 東北大学, 流体科学研究所, 講師 (20250839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 雄介 タイホー工業(株), CE事業部, 技術顧問
小山 忠正 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (80006189)
神山 新一 東北大学, 名誉教授 (80006171)
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Keywords | 磁性流体 / アクティブダンパ / 振動流 / 磁場 / 流体抵抗 / アクチュエータ / ニューロ制御 |
Research Abstract |
以下の3項目についての研究が行われた。 1. 磁性流体アクティブダンパの制御特性に関する研究 前年に引き続き試作した磁性流体アクティブダンパの制御特性を中心に実験的検討を行った。制御系としては、直列型及び並列型のニューロコントローラ(NC)を用いて、ピストンの制御効果を検討した。特に、系の共振振動数よりも低振動数の領域でNC制御は、比例制御系に対して制振効果は優れているが、制振達成までの学習時間が長くかかる場合もあるので、短時間での制振効果を達成するためのパラメータの選択が重要であることを確認した。 2. 窒化鉄粒子磁性流体を用いた場合の制御特性 次に、磁気力の大きくとれる窒化鉄粒子磁性流体を作動流体として用いた場合の制振特性の検討を行った。窒化鉄粒子磁性流体は、空気にさらされた状態に置くと、粒子の酸化により磁化特性が劣化してしまうので、測定部全体をアクリル板製のケースの中に設置し、窒素ガスを封入した状態で測定を行った。実験に用いた窒化鉄粒子磁性流体の飽和磁化の強さは、通常のマグネタイト粒子磁性流体の場合の約2倍の大きさである。ただし、粘度は約10倍の大きさである。したがって、磁場印加によるアクチュエータとしての駆動力は、従来のものより約2倍の強さが得られることになる。ダンパとしての制御特性の実験結果は、マグネタイト粒子の場合と比較して、低振動数域での制振効果が優れているという結果が得られた。 3. 窒化鉄粒子磁性流体中での平板の振動特性に関する基礎研究 窒化鉄粒子磁性流体のダンパへの応用の基礎研究として、磁性流体中での平板の振動特性に及ぼす非一様磁場印加の影響を理論及び実験の両面から検討した。その結果、窒化鉄粒子磁性流体の場合は、マグネタイト粒子を含む水ベース及びケロシンベース磁性流体の場合に比べて、磁場による振動抑制力が大きく作用することを明らかにした。また、磁場による窒化鉄粒子磁性流体の見かけの粘度増加割合を実験で得られた粘性減衰率より推定すると、約1.78倍であることを明らかにした。
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[Publications] H.Fukuda: "Study on Active Damper with a Magnetic Fluid" JSME Int.J.,Ser.B. 41-4. 822-829 (1998)
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[Publications] S.Kamiyama: "Investigation on Vibration Characteristics of Magnetic Fluid Active Damper" Non-linear Electromagnetic Systems,IOS Press. 875-878 (1998)
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[Publications] S.Kamiyama: "Progress on Intelligent Fluid and Engineering" The 5th Japanese-French Seminar on Magnetic Fluids,Akita. 3-5 (1998)
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[Publications] 神山 新一: "知能流体工学の進展" 第10回「電磁力関連のダイナミックス」シンポジウム講演論文集. 98-251. 1-4 (1998)
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[Publications] 岡本 久美子: "磁性流体アクティブダンパの制御特性に関する研究" 日本機械学会第76期全国大会講演論文集(III). 98-3. 253-254 (1998)
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[Publications] 小山 忠正: "窒化鉄磁性流体中の平板の振動特性" 第10回「電磁力関連のダイナミックス」シンポジウム講演論文集. 98-251. 405-408 (1998)