1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09555062
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
黒川 淳一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (40017976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 良治 富士フォイトハイドロ, 研究課長
山本 和義 荏原総合研究所, 研究所長
松井 純 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (40251756)
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Keywords | 極低比速度 / 右上がり不安定性能 / 放射状態 |
Research Abstract |
本年度は,ターボ機械の低流量域で羽根車の入口に発生する逆流が原因となって引き起こされる性能不安定,すなわち性能曲線上に現れる右上がり性能を対象として,これを簡便にしかも効率よく抑制する方法を検討した.この性能不安定は、ターボ機械の形式に拘わらず発生して運転を困難にするので、これが解消されれば夢のターボ機械が実現することになる. この性能不安定は,羽根出口角を大きくすると必然的に現れ,従来から有効な対策はないと言われ,遠心ポンプでは出口角は30゚程度より大きく出来ない.申請者らは,斜流ポンプを対象にこの原因を検討し,羽根入口逆流の旋回に基づく理論揚程の低下がこの性能不安定の主原因であることを解明してきた. したがって,入口逆流の旋回を抑制できれば,性能不安定を抑制することが可能になる筈である。そこで、比速度860[m,m3/mim,rpm]の斜流ポンプを用いて、ケーシング上に平成9年度と同様な形状の流れ方向の浅い溝を多数設けて、放射溝による旋回抑制法を実験的に検討した。様々な形状・寸法の溝に対して得られた性能曲線を、溝なしの場合能と比較することにより,以下の結論を得た。 放射溝は、その深さが大変浅いにも拘わらず、性能不安定を抑制する効果は大変大きく、溝の形状および取り付け位置を最適化すれば、ターボ機械の最高効率を低下させることなく、不安定性能を全流量範囲に亘って、完全に抑制することが出来る。羽根車前後の速度分布および壁面圧力の測定結果から、放射溝の取りつけは、羽根入口逆流の旋回強さおよび大きさを低下させること、そして振動や騒音はむしろ低下することが判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 黒川淳一、松井純、北洞貴他、宮部正洋、サンカル・ラル・サハ: "浅い放射溝を用いた羽根なしディフューザ旋回失速の抑制法の提案" 日本機械学会論文集(B編). 64・620. 1135-1141 (1998)
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[Publications] J.Kurokawa,S.L.Saha,J.Matsui and H.Imamura: "An Innovative Device to Suppress Performance Curve Instability in A Mixed-Flow Pump by Use of J-Grooves" Proc.of the 3^<rd> ASME/JSME Joints Fluids Eng.Conf.July 18-23 San Francisco. (1999)