1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09555069
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西尾 茂文 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00111568)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白樫 了 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (80292754)
|
Keywords | 熱工学 / 熱輸送 / ヒートパイプ / ドリームパイプ / 振動流 / 半導体素子 |
Research Abstract |
サーモサイフォンやヒートパイプなどの欠点を補う新しい熱輸送デバイス(HTD)の一つの候補として、振動制御型HTD(OC-HTD)がある。本研究では、OC-HTDを普及させるためには、コンパクトな加振機構を内在させた一体式強制振動制御型HTD(一体式FOC-HTD)、あるいは液体柱に自励振動を発生させ、加振動力・加振機構ともに除去した自励振動制御型HTD等を開発する必要があるとの判断のもとに、いくつかのOC-HTDを試作した。 得られた結果は、以下のようにまとめられる。まず、高い熱輸送能力を有するFOC-HTDとして我々が理論解析により提案した逆位相FOC-HTDについて、ミニチュアモータを外部設置した逆位相FOC-HTDを試作し、HTDとして作動させることに成功した。また、このHTDの定常熱輸送時における実効熱伝導率を実測し、先に報告した理論解析とよく一致することを確認した。さらに、このHTDの過渡熱輸送特性をHTDの温度分布をサーモビジョンにより追跡することにより実験的に検討し、過渡特性にも優れていることを示した。次に、我々が(自励振動の誘起につながると考えられる)蒸気プラグ伝播現象を見出した気泡駆動型HTD(BD-HTD)について、伝播現象が発生する最小ターン数と考えられる2ターンBD-HTDを試作し、液体柱の自励振動が発生する条件があることを見出し、自励振動型のOC-HTDの試作に成功した。また、本BD-HTDの作動安定性を実験的に検討し、管内径・温度差・封入率を特定した場合には、ラプラス長さの短い作動液体の方が安定作動範囲が広いことを示した。さらに、均質流モデルにより蒸気プラグ伝播現象に関する数値計算を行い、均質流モデルによる流動シミュレーションの可能性を示した。最後に、加振機構を内在させた一体型逆位相FOC-HTDについては、加振機構としてダイアフラムアクチュエータを選定し、ダイアフラムアクチュエータ内臓の逆位相FOC-HTDを試作し、その性能試験を行った。
|