1998 Fiscal Year Annual Research Report
減衰可変磁性流体を応用した振動制御による超精密制振機構の開発に関する研究
Project/Area Number |
09555077
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三矢 保永 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10200065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 康司 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (60293651)
松永 茂樹 日本精工(株)総合研究所, 科学研究員
大岡 昌博 静岡理工科大学, ・理工学部, 助教授 (50233044)
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Keywords | 磁性流体 / 減衰係数 / 減衰可変 / 振動制御 / 減衰器 / 磁場解析 / 減衰可変感度 / 揺動運動 |
Research Abstract |
磁性流体のもつ減衰可変特性について,速度に対する非線形性を定量化するための試験装置を新たに設計試作し,速度効果を明らかにした.また,制振試験を行うために揺動試験装置全体を加振する装置を制作して,加振実験を行うとともに,電流のオンオフによる制振の可能性を確認した. 1. 速度効果の定量化:シリンダを回転させた状態で,アームの揺動試験を行う試験装置を製作した.この装置において,シリンダの回転速度をパラメータにして揺動試験を行い,磁場印可により高減衰を示す場合にも,ある速度以上になると,急速に減衰が減少してしまう現象があることがわかった.これは供試磁性流体の減衰可変特性は磁場印可によるクラスタ形成に基づくものであり,このクラスタが剪断により破壊されるためと考えられる.したがって,この遷移領域以下の速度が,制振制御の適用領域となる.遷移領域は剪断速度に依存するが,磁場には大きく依存しないことなど,学術上も重要な結果を得た.2. 加振装置の構成二制振特性を評価するために,揺動試験装置全体を平行加振で励振させる装置を構成して,平行加振に対するアームの応答特性を実測した.本加振装置では,揺動運動と並進運動とが共存するために,振動系が複雑になり制振特性の評価が困難であることが判明した.そこで,純粋な揺動運動のみで評価を行うために,アームの先端部に磁力によって強制外乱を与える方法に改造した. 3. 制振特性の実験:速度に対する非線形特性が大きいことから,この影響を受けにくいスライディングモード制御の適用が有効と考えられる.そこで,この方式によるコンピュータ制御系を構成して,振幅と速度を弁別して電流のオンオフによる位相の変化を測定し,制振の可能性を確認した.定量的な評価は,揺動加振装置の完成後に行う予定であり,継続して研究を進める.
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