1998 Fiscal Year Annual Research Report
バリア放電/真空紫外光の相乗効果を用いた汚染ガス分解装置開発の基礎研究
Project/Area Number |
09555083
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
酒井 洋輔 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20002199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 仁志 (株)朝日工業社技術研究所, 副主任研究員
五十嵐 龍志 ウシオ電機(株), 技術研究所, 次長(研究職)
菅原 広剛 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90241356)
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Keywords | 大気汚染 / 窒素酸化物 / フロン / バリア放電 / 真空紫外光 / 放電分解 |
Research Abstract |
大気汚染ガスとして問題となっている窒素酸化物を始めとした大気汚染粒子の非平衡直流放電プラズマと真空紫外線照射のハイブリッド方式により、分解無害化することを目的にその基礎研究を行った。新たに、放電プラズマの発光スペクトル観測系を加え、実験を行った成果を以下に挙げる。 1) 1〜3Torrの二酸化窒素ガスは直流放電プラズマにより90%以上窒素と酸素に分解したことを、圧力上昇(初期封入圧力の約1.5倍に増加)、プラズマ発光スペクトル(二酸化窒素ならびに一酸化窒素の発光スペクトルから窒素スペクトルへ変化)、ならびに分解生成物の質量分析とガスクロマトグラフ法から確認した。 2) 二酸化窒素ガスはキセノンエキシマランプからの紫外線(波長172nm)を照射した場合も分解すること、また1)の実験に紫外線照射を重畳した場合には、放電プラズマ分解ならびに紫外線分解を別々に行った結果の和よりも窒素と酸素への分解速度と分解率が向上する相乗効果が見られた。 3) 二酸化窒素ガスにヘリウムを加えた場合、二酸化窒素の分解率の向上する結果が得られ、分解過程を検討した。 4) フロリナートFC-84(C_7F_<16>)蒸気(数Torrに維持)プラズマによる分解実験も同様に行った。その結果CF、CF_2、CF_3、C_2F_3、C_2F_5、C_3F_3、C_3F_5、C_3F_6が質量分析装置で検出され、電極表面に炭素とふっ素から成る薄膜が堆積されることを検出した。 現在、二酸化窒素分解に関しては、論文に纏める作業、ならびにフロリナートFC-84の他のフロロカーボンについても分解実験を進めている。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] C.P.Lungu: "Spectroscopic Characterization of NOx-Containing Plasma, Excited by DC Discharges and UV Irradiation" 平成10年秋期第57回応用物理学会講演論文集. 15p-S-8 (1998)
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[Publications] C.P.Lungu: "A Study on NO2 Decomposition in a Low-Pressure Plasma and 172 nm Xenon Excimer Lamp Radiation" Proc.4th Int.Conf.on Reactive Plasmas and 16th Symp.on Plasma Processing. 283-284 (1998)
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[Publications] C.P.Lungu: "Spectroscopic Syudy on Fluorocarbon Plasma Excited by DC Discharge and UV Radiation" Proc.Asia-Pacific Workshop on Water and Air Treatment by Advanced Oxidation Technologies: Innovation and Commercial Applications. 62-65 (1998)
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[Publications] 井上剛: "直流グロー放電と紫外光を用いたハイブリッド方式によるNOx分解" 平成10年電気学会全国大会. No.198 (1998)
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[Publications] 井上剛: "直流グロー放電と紫外光を用いたハイブリッド方式によるNO_2分解-He、N_2、O_2混合の効果-" 電気学会放電研究会資料. ED-98-74 (1998)
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[Publications] 深谷昌史: "ボルツマン方程式解析によるOCl_2F_2の電子衝突断面積の推定" 電気学会放電研究会資料. ED-98-213 (1998)
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[Publications] 酒井洋輔: "弱電離プラズマの電子衝突断面積とその最近の話題" プラズマ・核融合学会誌. 75(2). 96-103 (1999)
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[Publications] C.P.Lungu: "C_7F_<16> Decomposition in Low Temperature Plasma Excited by DC Discharge and UV Radiation" 第49回応用物理学会学術講演会. 30p-G-8 (1999)
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[Publications] C.P.Lungu: "Helium and Argon influence on NO_2 Decomposition in a Low Pressure Plasma Excited by DC Discharge and UV Radiation" 平成11年電気学会全国大会. No.113 (1999)
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[Publications] 深谷昌史: "OCl_2F_2電子衝突断面積の推定(III)" 平成11年電気学会全国大会. No.52 (1999)
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[Publications] 井上剛: "直流グロー放電と紫外光を用いたフロリナートFC-84(C_7F_<16>)分解" 平成11年電気学会全国大会. No.213 (1999)
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[Publications] 高橋義和: "空気中におけるコロナ放電のモデリング(I)" 平成11年電気学会全国大会. No.62 (1999)
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[Publications] C.P.Lungu: "Spatial and temporal distribution of species in a plasma excited by dc discharge and UV irradiation applied for NO_2 decomposition" XXIV International Conference on Phenomena in Ionized Gases (XXIV ICPIG), Warsaw, Poland, July, 1999. (発表登録済). (1999)