1998 Fiscal Year Annual Research Report
ファイバー形ポッケルス素子を利用した新しい高電圧直接測定装置の試作
Project/Area Number |
09555085
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日高 邦彦 東京大学, 工学系研究科, 教授 (90181099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 成居 東京大学, 工学系研究科, 助手 (10114646)
千葉 政邦 東京大学, 工学系研究科, 助手 (20011140)
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Keywords | ファイバー / 結晶 / ポッケルス効果 / 高電圧 / 測定 / 光 / 電位差 / 電界 |
Research Abstract |
本研究は「高電圧を分圧し、低電圧にして測定する」という従来の概念を変え、「高電圧を直接測定する」という発想に基づいて、ポッケルス素子利用の新しい高電圧測定装置を提案し、試作することを目的としている。本年度は、昨年度に試作を行った測定システムについて、各種高電圧電源を用いシステムの応答特性試験等を実施し、目標とする性能の確認を行い、最終的に本手法の有用性を検証した。それらの成果は以下の通りである。 1. ファイバ形ポッケルス素子、光学系(光源、光ファイバ、受光部)、高電圧印加部(電極、ブッシング)、測定部収納容器から構成される新提案の高電圧測定器の試作を完了した。使用したファイバ状BGO単結晶は直径1mmで、また長さはz軸方向に成長できる現在の所の最大長である40mmとした。 2. 半波長電圧の測定値は理論的に予想される値より1桁程度大きいことが明らかになった。その原因としては、ファイバ結晶の成長過程で生じる結晶内の残留応力などが考えられるが、再現性が確認できるので高電圧測定用の結晶としては有利な半波長電圧を有していると評価できる。 3. センサシステムは、電圧が結晶の軸方向全体に印加されることから、原理的に近接物体の影響を全く受けないという、従来の高電圧測定器では実現できない特長を実験的に検証できた。 4. 雷インパルス電圧の測定結果から、従来のポッケルスセンサでは不可避であるインパルスのピーク以降に現れる振動成分の重畳現象が観測されないことを明らかにした。 5. 直流、交流、インパルス電圧に加えて、立ち上がり3nsの直角波電圧にも正確に応答していることから、直流から100MHzまでの広周波数帯域を有していることを示した。 6. 測定電圧のダイナミックレンジの拡大する新しい手法について提案を行った。
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Research Products
(1 results)