1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09555112
|
Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
畠山 巌 茨城工業高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (00270215)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 二三男 NTT, アドバンステクノロジ, 部長
山口 一弘 茨城工業高等専門学校, 電子情報工学科, 講師 (70230349)
市毛 勝正 茨城工業高等専門学校, 電子情報工学科, 講師 (50223095)
|
Keywords | 位相共役光 / 位相共役鏡 / 光ファイバ / 結合用光導波路 / モードフィールド整合 / 光硬化樹脂 |
Research Abstract |
1.導波光による結合用光導波路の直接作製検討 光導波路として光ファイバを用い、2本の光ファイバの間に結合用光導波路を作製する検討を行った。2本の光ファイバを適当な間隙を開けて設置し、その間隙に光硬化樹脂を装填した。一方の光ファイバから514.5nm波長のレーザ光を入射させ、そのレーザ光で照射パスを硬化させて結合用導波路を形成する。樹脂は硬化と共に屈折率が増大した。光ファイバからの出射光により中心部から硬化が進む。硬化と共に屈折率も大きくなり、出射光の広がりが小さくなる。しかし、未硬化部は液体のため流動し硬化部が変形する場合がある。変形させないためには予め全体を弱く硬化させる必要があることが分かった。適切な照射条件により、異種光ファイバ(コア径50μm、NA=0.2とコア径10μm、NA=0.1)を用いて、630μm間隙に結合導波路を形成し、結合効率が導波路がない場合より16倍改善されることを示した。 2.光導波路を伝搬した位相共役光に関する検討 本研究の狙いは結合させたい光導波路間に位相共役光で結合導波路を作製することにある。光導波路間に軸ズレがあっても、導波光で発生した位相共役光はパワー的には100%結合することが分かっていた。しかし、結合導波路を作製するために導波路間の空間に位相共役光がきちんと戻るかどうかは明らかでなかった。そこで光ファイバ断面内で入射位置を変えて光を入射させ、それによって発生した位相共役光がどのように戻るかを検討した。その結果、コアの中心から10μm程度離れた点から入射した場合の戻り光が最も大きく、中心部から入射した場合はそれより30%も低いことが明らかになった。これは中心部から入射した場合の方が伝搬モードが多く発生し、位相共役鏡に入射する光の空間周波数分布が大きくなり、全体としての位相共役反射率を下げたことが主要因と考えられる。これらの知見はより精密なモードフィールド整合用としての導波路を作製するときに有用になると考えられる。
|