1997 Fiscal Year Annual Research Report
プラスチック光ファイバセンサーを用いた携帯イオン計測装置の試作
Project/Area Number |
09555114
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Research Institution | Toyama National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
水本 巌 富山商船高等専門学校, 情報工学科, 助教授 (40239257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 一則 古川電気工業(株), 横浜研究所・次世代研究センター, 主任研究員
阿蘇 司 富山商船高等専門学校, 情報工学科, 助手 (30290737)
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Keywords | プラスチック光ファイバセンサ / pHセンサ 多点計測 |
Research Abstract |
これまでの光ファイバ分子イオンセンサは、光源にArレーザを使用し,マルチチャンネル光検出器を用いたシステムで光ファイバからの蛍光スペルトルを計測していた。そのため容易に持ち運びができず様々な場所で使用できなかった。一方光源にバッテリ-駆動可能なLEDを用いた装置では、蛍光検出部にロックインアンプを使用するなど回路が複雑なので多点計測には不向きであった。本研究では受光部に光電子増倍管(浜松ホトニクス製H5784-01)を用い、多点計測に応用発展可能なセンサシステムの構築を実現した。 プラスッチックファイバのクラッド層を除去した後に、硫酸水溶液に浸けてコア表面を化学改良しフルオレセンイ色素ドープファイバと未ドープファイバ端末を突き合わせて接合した針状端末プローブを光ファイバセンサとして用いた。受光部として、蛍光スペクトル試験用にマルチチャンネル光検出器(浜松ホトニクス製PMA-11)、蛍光出力電圧取得用には光電子増倍管をそれぞれ用いてパーソナルコンピュータに信号を取り込み信号処理した。 その結果蛍光スペクトルは、pH値の低い方から順にスペクトル強度が強くなっていった。光電子増倍管からの出力電圧は、pH値の低い方から順に電圧値が0.8V/pHで、大きくなっていくことがわかった。時間変化による電圧のゆらぎは、50mV以内と少ないので、安定したシステムだと考えられる。pH値と出力電圧の関係はほぼリニアになっており、蛍光強度と光電子増倍管からの出力電圧が比例していることから、本システムでpH計測が可能であると考えられる。 光ファイバセンサの色素固定法を確立し,多種のイオン溶液、様々な環境で計測できるようにすることが課題である。
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