1998 Fiscal Year Annual Research Report
直流電流作用下のRC構造物のおけるアルカリ骨材反応の促進機構に関する実証的研究
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09555134
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鳥居 和之 金沢大学, 工学部, 教授 (50115250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 浩司 (株)ピー, エス 開発技術部, 主任研究員
川村 満紀 金沢大学, 工学部, 教授 (20019730)
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Keywords | ASR / 電気防食 / 直流電流 / ひび割れ / 補修・補強 / 電気的促進試験 |
Research Abstract |
コンクリート構造物のアルカリシリカ反応に及ぼす電気防食の影響を検討することを目的として、反応性骨材を含有するコンクリート梁試験体を対象として約3年間屋外にて電気防食試験を実施した。屋外暴露終了後、コンクリート梁試験体に対して曲げ載荷試験を実施した。 ASR損傷コンクリート試験体の曲げ載荷試験より得られた成果は次のようである。 コンクリート梁試験体の屋外暴露時の観察より、(1)電気防食の実施により、コンクリート内のアルカリがカソード鉄筋付近に集積し、カソード付近のアルカリ濃度が上昇する、(2)(1)の結果、鉄筋コンクリート梁のカソード鉄筋付近でASRによるひび割れが暴露材令とともに増大する、ことが確認できた。 コンクリート梁試験体の曲げ載荷試験の結果より、(3)電気防食を実施しない梁試験体ではASRによる損傷の程度には関係なく曲げ載荷時の耐荷力は低下しない、(4)電気防食を実施した試験体ではカソード鉄筋の周囲でASRが局部的に進行し、鉄筋とコンクリートの付着強度が低下する。(5)電気防食を実施した試験体では鉄筋の付着強度の低下により曲げ載荷時の耐荷力が低下する、ことが確認できた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Torii,K.Ishii,K.Kawamura,M: "Influence of Cathodic Protection on Expansion and Structural Behavior of RC Beams Containing Alkali-reactive Aggregates" Proc.of East Asia Alkali-Aggregate Reaction Seminar,tottori,. 231-242 (1997)
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[Publications] 鳥居和之、川村満紀、佐藤健一: "セメント硬化体の塩化物イオン透過性に及ぼすフライアッシュの影響" セメント・コンクリート論文集. NO.51. 126-131 (1997)
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[Publications] Ampadu,K.O.,Torii,K,Sato,K: "Evaluation of Chloride Permeability of Concretes Incorporating Blast-furnace Slag Using Electric Migration Test," Proc.of the 2nd Inter.RILEM/CSIRO/ACRA Conf.on Rehabilitation of Structures,Melbourne,. 489-497 (1998)
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[Publications] 鳥居和之: "コンクリート構造物の劣化損傷機構と補修・補強技術" 平成10年度リカレント教育講座テキスト、金沢大学工学部. 1-10 (1998)