断層モデルから導かれた地震動を用いた都市内コンクリート橋の耐震診断システムの構築

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09555137
• Research Institution: Nagoya Institute of Technology
• Principal Investigator: 梅原 秀哲 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70151933)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 岩本 政巳 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (60232716) ; 杉戸 真太 岐阜大学, 工学部, 教授 (60115863) ; 睦好 宏史 埼玉大学, 工学部, 教授 (60134334)
• Keywords: 耐震診断 / 地震応答解析 / 断層モデル / コンクリート橋 / 地震加速度波形

Research Abstract

コンクリート構造物の地震による応答性状は、地震波によって全く異なることが明らかとなっている。したがって、その構造物の位置に生じた過去の地震を対象として解析を行い、構造物の耐震性を診断する必要がある。そこで本研究は、名古屋、東京のように将来比較的大きな地震の生じる可能性のある都市を対象として、各都市に過去に生じた地震の波形を断層モデルを用いて導き、対象としたコンクリート橋の地盤特性を考慮して得られた地表面での加速度波形をもとに応答性状を解析し、コンクリート橋の耐震診断システムを構築することを目的とする。
平成9年度は、名古屋市内のコンクリート橋6橋を対象として、断層モデルを用いて推定された東南海地震、濃尾地震、東海地震(想定)の工学的基盤面での地震加速度波形から、コンクリート橋基礎位置での地盤特性を考慮して地表面の加速度波形を求めた。そして、コンクリート材料の非線形性を考慮した既存の1質点系動的応答解析プログラムと今回開発した三次元有限要素モデルによる動的応答解析プログラムを用いて、これら6橋について解析を行った。その結果、三次元有限要素モデルを用いることにより、1質点解析モデルでは考慮できない橋脚の自重、橋桁の高さや桁長が応答解析結果に大きく影響するなど、有益な知見が得られた。また、開発した三次元有限要素モデルによるプログラムの有用性が実証された。
平成10年度は、任意の地震に対して断層モデルからコンクリート橋位置での地震加速度波形を求め、開発した三次元有限要素モデルによる動的応答解析プログラムを用いて解析を行い、コンクリート橋の耐震性が診断できる手法をシステム化する予定である。

Research Products

• [Publications] 杉浦弘治: "コンクリート橋の地震応答解析におけるモデル化の影響" 土木学会第52回年次学術講演会講演概要集. 52・V. 570-571 (1997)
• [Publications] 杉戸真太: "Nonlinear Ground Motion Amplification at Reclaimed Borehole Stations" Deformation and Progressive Failure in Geomechanics. 641-646 (1997)
• [Publications] 岡二三生: "埋立地盤での鉛直アレー観測記録に基づく地震動非線型増幅特性の検討" 地震工学研究発表会. 24・1. 49-52 (1997)