1998 Fiscal Year Annual Research Report
プレロード・プレストレスによる補強土構造物の耐震性の飛躍的向上に関する研究
Project/Area Number |
09555149
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
龍岡 文夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 剛司 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30092224)
小高 猛司 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00252271)
古関 潤一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30272511)
吉嶺 充俊 東京都立大学, 工学部, 講師 (80251338)
東畑 郁生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20155500)
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Keywords | 補強土構造物 / プレロード / プレストレス / 耐震性 / 模型実験 / 繰返し載荷 / 振動台実験 / 共振 |
Research Abstract |
橋台・橋脚等として建設された補強土盛土の、死荷重と活荷重に対する即時・永久変形を抜本的に減少する工法として、鉛直方向にプレロードとプレストレスを加える方法が実用化されてきた。この構造物は、耐震性にも非常に優れていることを実証し、その設計方法を確立するために、豊浦砂をジオテキスタイルで補強した小型模型を作成し、系統的な静的繰返し載荷試験と振動台実験を行った。その結果、次のことが明らかになった。 1) 適切なプレストレスが維持されている限り、入力700ガルの正弦波に対して共振し続けても、変形が非常に小さい状態を維持できる。 2) 0.l%程度のひずみでも土の減衰係数は15%程度と大きいので、破壊状態に接近することなく共振時の応答倍率は3倍程度で収まる。 3) 補強構造物の固有振動数は、プレストレスが高いほど高くなる。適切なプレストレスにより実構造物でも10Hz以上に出来るので、実際の地震時での大きな共振状態を避けることは十分可能である。 4) 構造物の両端にタイロッドを配置することにより、補強構造物は単純せん断変形を強制させる。このことにより、細長い構造物でも曲げ破壊を避けることが出来る。 5) 適切なプレロードを加えることにより、曲げ変形による塑性変形の進行、それに伴う残留変形とプレストレスの抜けを避けることが出来る。 6) 振動時にプレストレスが抜けない方法として、盛土の圧縮にはプレストレスが抜けないが盛土が鉛直方向に膨張することを許さないタイロッドのラチェット固定方法は有効である。 総合すると、適切な設計施工したプレローディド・プレストレスト補強土構造物は、レベルIIの強震に対しても非常に靭性の高い耐震性に優れた構造物である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Koseki,J.: "Shaking table and tilting tests of geosynthetic-reinforced soil retaining wall and conventional type retainin wall models" Geosynthetics International. Vo.5,No.1-2. 73-96 (1997)
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[Publications] Uchimura.T.: "Preloaded-prestressed geogrid-reinforced soil bridge pier" Proc.6^<th> Int.Conf.on Geosynthetics,Atlanta. Vol.2. 565-572 (1998)
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[Publications] Tatsuoka,F.: "Seismic Stability Against High Seismic Loads of Geosynthetic-Reinforced Soil Retaining Structures" Keynote Lecture,Proc.^<th> Int.Conf.on Geosynthetics,Atlanta. Vol.1. 103-142 (1998)
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[Publications] Uchimura,T.: "Behavior of the first prototype and full-scale models of PLPS geosynthetic-reinforced soil structure" "Geosynthetics in Foundation Reinforcement and Erosion Control Systems",Proc.of Geo-Congress'98,ASCE,Boston. 34-48 (1998)
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[Publications] 内村太郎: "小型模型によるPL・PS補強土橋脚の振動台実験" 第34回地盤工学会研究発表会講演概要集. 2分冊の2. (1999)
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[Publications] 杉村佳寿: "補強土構造物の共振振動数に対するプレストレスの影響" 第34回地盤工学会研究発表会講演概要集. 2分冊の2. (1999)
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[Publications] 篠田昌弘: "プレローディド・プレストレス補強土模型に対する水平プレロードの効果" 第34回地盤工学会研究発表会講演概要集. 2分冊の2. (1999)
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[Publications] 菊地達哉: "プレローディド・プレストレス補強土模型の室内繰り返し載荷実験" 第34回地盤工学会研究発表会講演概要集. 2分冊の2. (1999)