1998 Fiscal Year Annual Research Report
鉄道出勤者の出勤行動の社会的変化を考慮した時空間鉄道ネットワーク解析手法の確立
Project/Area Number |
09555165
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
家田 仁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90168089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺部 慎太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60302585)
桑原 雅夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50183322)
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Keywords | 都市交通 / ネットワーク解析 / 行動分析 |
Research Abstract |
大都市圏鉄道の混雑緩和に寄与する施策として、ピーク時の輸送力増強のみならず、フレックスタイム制度や、ピーク前後の輸送力増強などが考えられる。本研究では、それらの施策の効果を把握するため、首都圏の鉄道網を対象に、鉄道輸送力、駅間OD表を入力として、時空間ネットワーク上に利用者を配分することにより、時刻別・距離帯別乗降人員・断面通過人員を算出するモデルを構築した。 本研究では、時空間ネットワークについて、鉄道ネットワークの部分を簡略化して計算時間の短縮を図り、操作性の高いモデルの設計およびその適用を行った。鉄道ネットワークは、東京70キロ圏を対象として、複雑な鉄道ネットワークを、1本の路線に集約することとし、利用者の経路選択行動を単純化する(ただし、利用者の列車種別選択行動は考慮する)こととした。この際、入力となるOD表(大都市交通センサス)や輸送力データは、都心からの距離帯単位のデータに変換を行い、単純化した鉄道ネットワークに対応することとした。一方、時間については、午前中の6時間を10分ごとに表現することとした。リンクコストは、混雑効果や勤務制度に関する効用関数を設定することで、利用者の乗車時刻選択行動を明示的に取り込んだ。 その結果、鉄道ネットワークを簡略化した時空間ネットワークを用いたモデルで、東京圏の各距離帯単位での、需要の時間的分布が10分単位で再現された。また将来の勤務制度や輸送力の変化による需要の動向を、様々なシナリオについてそれぞれ各距離帯単位で予測し、各種施策による需要の時間的変化を出力した。
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[Publications] 家田 仁: "鉄道通勤者の時刻・経路同時選択モデルの開発に関する基礎的研究" 第6回交通・物流部門大会講演論文集(鉄道シンポジウム編). 415-416 (1997)
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[Publications] 家田 仁: "勤務制度の多様化に伴う通勤者の行動の変化を考慮した大都市圏鉄道需要の時刻集中特性の予測手法の開発" 土木計画学研究講演集. 21(2). 881-884 (1998)