鉛直浸透型ヨシフィルターによる小規模排水の高度処理に関する研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09555167
• Research Institution: Tokyo University of Agriculture and Technology
• Principal Investigator: 細見 正明 東京農工大学, 工学部, 教授 (90132860)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 秋葉 道広 島根大学, 生物資源科学部, 講師 (00159336) ; 楊 宗興 東京農工大学, 農学部, 助手 (50260526)
• Keywords: ヨシフィルター / 鉛直浸透 / ^<15>N安定同位体窒素 / 窒素除去 / 脱窒 / 生活排水処理 / 高度処理

Research Abstract

鉛直浸透型ヨシフィルターにおける窒素除去機構を明らかにするため、ラボスケールのヨシフィルターを制作し、15N安定同位体窒素をトレーサーとして、脱窒される場合を明らかにすることを本研究の目的としている。本年度は、昨年制作した鉛直浸透型ヨシフィルターに人工排水の供給をした。このヨシフィルターでは、ガスも含めた収支がとれるように工夫した実験装置である。
この鉛直浸透型ヨシフィルターに人工排水を供給して、排水負荷を10cm/日とした条件で排水の供給時間間隔を様々に変化させて、流出水中の窒素、有機物、リンを測定した。その際、ヨシフィルター内にポーラスカップを設置して、各深さにおけるこれらの濃度も計測した。
一方、窒素源を15N安定同位体窒素を含む硝酸に変えた人口排水を作成し、ヨシフィルターに連続的あるいは間欠的に流入させ、流出水濃度が一定になった段階で、地上部のヨシ全体を覆えるようなフタを固定し、フタ内の15N安定同位体窒素濃度の経時変化を求めるとともに、流出水中の15N安定同位体窒素濃度もヘッドスペース法で、毎月測定した。その結果、ヨシフィルターの脱窒速度は、0.0〜5.5(平均2.27)gN/m^2/日で季節変化した。窒素除去量のうち、脱窒の割合、60%であった。

Research Products

• [Publications] 加藤智博 徐開欽 千葉信男 樫内孝信 田中裕作 細見正明 須藤隆一: "浚渫ヘドロ上におけるヨシ原の創出手法の開発とその評価" 土木学会論文集. No.594/VII-7. 1-10 (1998)
• [Publications] 細見 正明: "水生植物を利用した水質浄化システム" バイオサイエンスとインダストリー. 57(2). 86-91 (1999)
• [Publications] 細見 正明: "植物の力で川の水をきれいに" 川の水((財)河川環境管理財団). No.2. 34-41 (1999)
• [Publications] 細見 正明: "第46章・水域直接浄化施設(分担執筆),水処理管理便覧" 丸善, 6 (1998)
• [Publications] 細見 正明: "第2章・第6節,湿地による生活排水の浄化対策(分担執筆)河川・湖沼の水質浄化技術の開発と汚染対策" 工業技術会, 13 (1998)