1999 Fiscal Year Annual Research Report
鉛直浸透型ヨシフィルターによる小規模排水の高度処理に関する研究
Project/Area Number |
09555167
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture & Technology |
Principal Investigator |
細見 正明 東京農工大学, 工学部, 教授 (90132860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋葉 道広 島根大学, 生物資源科学部, 講師 (00159336)
楊 宗興 東京農工大学, 農学部, 助教授 (50260526)
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Keywords | ヨシフィルター / 鉛直浸透 / ^<15>N安定同位体窒素 / 窒素除去 / 脱窒 / 生活排水 / 高度処理 |
Research Abstract |
鉛直型ヨシフィルターの持つ窒素除去能力を明らかにするため、鉛直型ヨシフィルターに人工排水を供給し、ヨシフィルターへの排水の流入方式の違い(連続流入方式と間欠流入方式)が窒素除去能力に及ぼす影響を評価すると共に、ヨシフィルター内での脱窒速度を実測し、ヨシフィルターの窒素除去能に対する脱膣の寄与を評価した。 間欠流入方式において、ヨシ植生装置およびヨシ無し装置のT-N除去率はそれぞれ47〜97、7〜59%であったのに対し、連続流入方式においてヨシ植生装置およびヨシなし装置のT-N除去率はそれぞれ4〜95%、0〜25%であった。また、間欠ヨシ植生装置では、冬期でもT-N除去率が50%を下回ることがなかったが、連続ヨシ植生装置では気温の下がる冬期に低下した。間欠流入は連続流入に比べると特に冬期に有効であった。このことは、間欠的に流入させることにより土壌内がより好気的に保たれ、冬期でも水質の浄化に適した状態となっていたためと思われた。 また、ヨシ植生装置とヨシ無し装置の年間の平均脱窒速度はそれぞれ、2.27、1.48[g-N/m^2/day]で、ヨシの存在により脱窒がよく進むことが示唆された。ヨシフィルターは、ヨシが脱窒を促進する効果とヨシ自身の取り込みにより窒素を除去し、土壌のみよりも窒素除去において効果があることが確認できた。 ヨシフィルターにおける脱窒速度は気温に対しよく回帰し、ヨシフィルターにおける脱窒能は温度に影響されることがわかった。また、ヨシが枯死する冬期でも、気温を高く保つことで脱窒能が維持できる可能性が示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 徐開欽、加藤智博、稲森悠平、西村修、細見正明、須藤隆一: "浚渠ヘドロ上に創出した人工ヨシ湿地の木質浄化機能の評価"用水と廃水. 41(6). 504-512 (1999)
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[Publications] 細見 正明: "人工ヨシ湿地の浄化機能とそれを創出する技術開発"関西自然保護機構会報. 21(2). 235-247 (1999)
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[Publications] 細見 正明: "4-3 湿地生態系の創出技術(分担執筆)、環境保全・創出のための生態工学"丸善. 12 (1999)