1998 Fiscal Year Annual Research Report
マルチ・フィード多段化UASB反応器による超快速の嫌気性廃水処理プロセスの実現化
Project/Area Number |
09555168
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
原田 秀樹 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70134971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 俊博 (株)荏原製作所, 環境開発センター, 応用技術部長
荒木 信夫 長岡工業高等専門学校, 都市環境工学科, 助教授 (30193072)
大橋 晶良 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70169035)
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Keywords | UASB反応器 / 高温メタン発酵 / 嫌気性処理 / グラニュール / メタン生成菌 / アルコール蒸留廃水 / 硫酸還元細菌 / 嫌気性共生系 |
Research Abstract |
新規のマルチ・フィード多段化UASBリアクターをアルコール蒸留廃液の高温(55℃)処理プロセスとして適用し,これまで生物処理では前代未踏であった有機物容積負荷100kgCOD/m3・d以上の“夢の超高速"バイオリアクターを実現した(廃水強度CODcr5000mg/lの場合、HRT(水理学的滞留時間)は僅かに1.2時間で除去率85%以上の処理を達成した)。この多段型高温UASBリアクターの許容負荷速度は,従来型中温UASB反応器の5〜10倍程度,従来型の好気性廃水処理装置(活性汚泥法)の20〜30倍程度に相当し,超高速嫌気性処理特性が実証された。本研究課題で開発した多段化UASB反応器は、生物保持能にすぐれ、反応器容量基準で40000mgVSS・L-1の高濃度生物を保持しており、最大汚泥負荷は3.4gCOD・gVSS-1・d-1であった。さらに、本プロセスの処理特性,保持汚泥の生物学的特性,物理性状を把握し,設計操作方法に関するノウハウを確立した。 さらに、高温UASB反応槽保持汚泥の生態学的構造(ミクロフローラ)の時間推移を次の手法によって明らかにした:(1)各トロフィック・グループ((a)メタン生成菌,(b)アセトジェニック菌,(c)硫酸還元菌)のバイアル活性試験と生菌数計測,(2)16SrRNAをターゲットとした蛍光標識モレキュラー・プローブのInsitu Hybridization(FISH)法による種レベル,属レベルでの菌叢分布の定量化し,各ポピュレーションのグラニュレーションへの寄与度を評価した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Sekiguchi,Kamagata,Y.,Nakamura,K.,Ohashi,A.& HARADA H.: "Fluorescence in situ hybridization using 16S rRNA targeted oligonuculeotides reveals localization of methanogen and selected uncultured bacteria in mesophilic and thermophilic sludge granules" Appl.Environ.Microbiol. vol.65. 1280-1288 (1999)
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[Publications] 原田秀樹,大橋晶良: "高温条件下での嫌気性グラニュールの形成-“夢の超高速"嫌気性廃水処理プロセスの実現化" 水環境学会誌. vol.21. 635-639 (1998)
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[Publications] 関口勇地,大橋晶良,原田秀樹: "嫌気性グラニュール汚泥からのrDNA遺伝子のクローニングから推定された未知の細菌群の検出とその空間分布-rRNAからみた中温・高温グラニュールの微生物群集構造比較" 環境工学研究論文集. vol.35. 427-428 (1998)
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[Publications] 多川正,大橋晶良,原田秀樹: "新規の多段型高温UASBリアクターによる高濃度脂質含有廃水の嫌気性処理特性" 環境工学研究論文集. vol.35. 51-60 (1998)
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[Publications] 大橋晶良,原田秀樹,小山孝: "生物膜の剥離抵抗因子・付着と引張強度の新規試験機による評価" 環境工学研究論文集. vol.35. 329-338 (1998)
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[Publications] 山口隆司,原田秀樹: "プロピオン酸の嫌気的分解過程における硫酸塩還元細菌の生態学的位置づけの定量的評価" 環境工学研究論文集. vol.35. 447-455 (1998)