1997 Fiscal Year Annual Research Report
不飽和土壌中水分物質移動のリアルタイム測定システムの開発
Project/Area Number |
09555170
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米田 稔 京都大学, 工学研究科, 助手 (40182852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 将人 京都大学, 工学研究科, 助手 (00157059)
森澤 眞輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026340)
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Keywords | 土壌カラム / 水分量測定 / イオン濃度測定 / インピーダンス測定 / リアルタイム測定 / 非接触型電極 / サセプタンス / 分極現象 |
Research Abstract |
本研究では、実験用土壌カラム中の含水率と溶質濃度を、カラム外部に配置した非接触型電極を用いてリアルタイムで測定するシステムの開発を行った。本研究の方法ではインピーダンスメーターを用いて土壌の持つインピーダンスをカラム外部より測定し、分極現象によるサセプタンスの周波数変化から、土壌の水分量と溶質濃度の推定を行う。このため回路内の接触抵抗を最小にする工夫を行うとともに、その補正を行った。そして、この装置の測定値から土壌の含水率や溶質濃度を算出するための検量線を作成し、以下の成果結論を得た。 1.本研究では、測定回路の中に存在する接触抵抗や漂遊成分を減少させるためにリレー部にHewlett Packard社製のリレーボードを用いた。また測定電極はアクリル板へ接着剤で固定し、ケーブル類の接続は全てハンダ付けして完全に固定した。これによりクリップ等を用いて測定電極を接続する場合に比べ、接触抵抗を減少させるとともに、そのばらつきを小さくすることができ、測定値の信頼性を高めることができた。 2.装置の表示する測定値から測定対象である土壌のもつインピーダンスを算出するため、ケーブルの持つインピーダンスの測定を行った。これにより、各カラム及び測定周波数に対して、土壌以外の回路の持つインダクタンスや漂遊容量を補正することができた。 3.土壌を電気的に単純なモデルで近似し、そのモデルを用いた体積含水率及び溶液濃度の検量線を作成し、その妥当性について検討した。この結果、200kHz、1MHzの2つの周波数についての検量線を組み合わせて用いることにより、含水率が10%から25%程度の範囲では測定が可能であり、コンピュータープログラミングを用いて、この方法によるリアルタイム測定が可能であることを示すことができた。
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