1998 Fiscal Year Annual Research Report
不飽和土壌中水分物質移動のリアルタイム測定システムの開発
Project/Area Number |
09555170
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米田 稔 京都大学, 工学研究科, 助手 (40182852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 将人 大同工業大学, 建設工学科, 助教授 (00157059)
森澤 眞輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026340)
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Keywords | 土壌カラム / 水分量測定 / イオン濃度測定 / インピーダンス測定 / リアルタイム測定 / コンダクタンス / サセプタンス / 分極現象 |
Research Abstract |
今年度は実験用土壌カラム中の含水率と溶質濃度の動きをリアルタイムで観測するため、まずカラム内に接触型電極を配置した。この電極とインピーダンスメーターを用いて、土壌の示すサセプタンスとコンダクタンスから含水率とNaCl濃度を求めるための検量線を作成し、水分と溶質濃度の同時追跡が可能なシステムを作成した。昨年度作成した非接触型電極に比べて実用性には劣るが、電極が土壌と直接接触することによりコンダクタンスの利用が可能であり、電気的特性の情報が増える分、検量線の作成などは簡単であると考えられる。実験結果から、土壌のサセプタンスが含水率と線形関係にあること、土壌のコンダクタンスが土壌溶液の導電率と含水率それぞれと線形関係にあることを示した。さらに今年度は特に検量線の温度特性について検討した。その結果20℃付近においては、土壌をコンデンサーと抵抗の並行回路で表すことにより求めた理論値と比較的良い一致をみたが、13℃や30℃では理論値と実測値が離れ、モデルの改良が必要と考えられた。さらに土壌の質の違いによる影響についても検討した。その結果、特に粒径が細かい場合に理論値から離れる傾向が認められ、またガラスビーズを用いた場合には、導電率の推定値は理論式からかなり離れる傾向がみられた。これらのことから、検量線は土壌の質によって使い分ける必要があると考えられる。また、本研究で開発した測定システムと検量線を用いて、実際の不飽和カラム内水分物質同時移動の追跡を行った。その結果、溶液が不飽和層に浸透する際に、溶液の浸透よりも含水率の上昇が速く移動していく現象などを捉えることができた。よって本研究で開発した方法は不飽和浸透現象のリアルタイム追跡などにおいて有効であると考えられる。
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