1998 Fiscal Year Annual Research Report
フレッシュコンクリートの簡易品質管理システムの開発
Project/Area Number |
09555175
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 博嗣 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80157867)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 謙一 錢高組, 技術研究所, 主席研究員
黒川 善幸 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50242839)
谷川 恭雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70023182)
|
Keywords | フレッシュコンクリート / レオロジー / コンシステンシー試験 / ワーカビリティー / 高流動コンクリート / 品質管理 / 流動解析 / 材料分離 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高流動タイプのコンクリートも含めて、フレッシュコンクリートに要求される品質を、力学的な観点から定量的に把握し、材料設計と施工管理に関するシステムな体系化を行うことにあり、この種のコンクリートに適した簡易な品質評価試験方法を、解析的・実験的手法を用いて設計・開発・提案することにある。 本年度は以下のように研究を実施した。 1. 各種要求性能に関する試験方法の設計・試作 広範囲の条件に適用可能な簡便な品質管理試験方法を設計・試作した。試作した装置は、分離抵抗性および間隙通過性を定量化するタイプのものである。普通コンクリートにはスランプ試験を実施し、本研究によって得られる換算表を用いてレオロジー定数として標記した。また、高流動性を有する特殊なコンクリートに関しては、材料分離抵抗性試験を用いて、品質管理を行うことを提案した。 2. 新評価試験方法の妥当性の確認 上記1.で試作した試験装置を用いて、高流動タイプの各種のコンクリートを用いた検証実験を行った。また、実施工条件における各種性状との比較は、申請者らが過去に行った実験結果を含め、既往の研究成果を用いた。 3. 新評価試験方法を用いた各種施工性の予測手法の検討 上記1.〜2.および前年度の結果を総括し、不足の部分の追加実験ならびに解析を実施した。また、開発した新しい評価試験方法の使用性の改善やマニュアルの整備を行った。すなわち、測定値と各種条件下における施工性の関連を整備し、材料定数を用いた簡易な施工予測システムを提案した。この予測システムは、数値解析手法ではなく、早見表あるいは簡便な式による利用形態を想定したものである。
|
-
[Publications] 寺田謙一: "せん断ボックス試験に基づくモデル材料を用いたフレッシュコンクリートのレオロジー性質に関する研究" 日本建築学会構造系論文集. No.511. 17-24 (1998)
-
[Publications] 井上和政: "特殊混和剤を用いた高流動コンクリートの基礎物性とその調合方法に関する実験的研究" 日本建築学会構造系論文集. No.511. 31-38 (1998)
-
[Publications] 寺田謙一: "フレッシュコンクリートのレオロジー性質に及ぼすせん断層厚さおよび粗骨材要因の影響に関する研究" 日本建築学会構造系論文集. No.513. 15-22 (1998)
-
[Publications] 王 迎華: "フレッシュコンクリート中のマトリックスモルタルの流出分離抵抗性に関する基礎的研究" 日本建築学会構造系論文集. No.514. 1-7 (1998)
-
[Publications] 北大路洋: "フレッシュコンクリート中の振動伝播に関する解析的研究" 超硬練りコンクリート技術に関するシンポジウム論文集日本コンクリート工学協会. 93-98 (1998)
-
[Publications] 三島直生: "2次元モデルによるフレッシュコンクリートのせん断変形性質に関する研究" コンクリート工学年次論文報告集. Vol.20,No.2. 289-294 (1998)