1998 Fiscal Year Annual Research Report
骨組構造用の鋼および鋼・コンクリート合成耐震要素の開発
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09555176
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松井 千秋 九州大学, 大学院・人間環境学研究科, 教授 (00037756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 晴仁 NKK, 建材開発センター, 主幹(研究員)
畑戸 龍夫 前田建設工業, 開発営業部, 部長(研究員)
境 純一 九州大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (30215587)
津田 恵吾 九州大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (50112305)
河野 昭彦 九州大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (60136520)
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Keywords | 鋼板耐震壁 / スリット / 靱性 / 耐力・剛性・設計式 |
Research Abstract |
スリットを鋼板に入れることにより、耐力及び剛性の算定・調整が簡易で変形能力に富む鋼板耐震壁(以下、「スリット入り鋼板耐震壁」と呼ぶ)の開発研究を行ってきた。これまでに耐震壁の単体の試験体に対して実験を行い、その耐力式及び剛性式の妥当性を確認し、靭性ある挙動を得る為に満足しなければいけない条件について検討してきた。前述の耐力式及び剛性式によると、計算耐力及び計算剛性は、スリットが入っていない鋼板の計算耐力及び計算剛性と、1)スリットに挟まれる鋼板部分(柱状部と呼ぶ)の剪断スパン比(α)、及び2)(スリットの長さ×スリットの層数)の耐震壁の高さに対する比(β)が関係し、この2つの変数により耐震壁の耐力及び剛性を調整することができる。 但し、これまでの実験において、これら変数に関した系統的な検討は行っていなかった。本年度は、過去の実験試験体に採用したα及びβの値を基本とし、変数α及びβを実験変数として、計16体の耐震壁の試験体に対して実験を行った。 その結果、以下の事が判明している。 1. 耐力に関しては、実験耐力の計算耐力に対する比は、柱状部の幅と板厚との比(b/t)との間に相関がある。 2. 剛性に関しては、実験剛性の計算剛性に対する比は、前述の変数βとの間に相関関係がある。 3. α及びβの値が小さいほど、耐力劣化は早期に発生し、挙動は不安定なものになる。従ってα及びβの値に制限を設ける事によって、安定した挙動を得る為の設計条件が得られる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 日高桃子.松井千秋ほか: "スリット入り鋼板耐震壁の弾塑性性状について-骨組の中での挙動" 学術講演梗概集. 構造III. 865-866 (1998)
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[Publications] Toko.Hitaka,Chiaki.Matsui,clmers: "Strength and Behavier of Steel Bearing Wall with Slits" Proceeding of Fifth Pacific Structura1 Steel Couference. Vol.2. 991-996 (1998)
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[Publications] 日高桃子.松井千秋: "スリット入り鋼板耐震壁の弾塑性性状について 単体の耐震壁の性状と耐力・剛性の評価法" 第10回日本地震工学シンポジウム論文集. Vol.2. 2087-2092 (1998)
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[Publications] 日高桃子.松井千秋: "スリット入り鋼板耐震壁の弾塑性性状について" 日本建築学会構造系論文集. 第519号 印刷中. (1999)