1998 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロコイル状の炭素繊維及びTiCファイバーの新規合成法の開発
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09555200
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
元島 栖二 岐阜大学, 工学部, 教授 (80021608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 昭仁 川崎重工業, 岐阜技術研究所, 研究員
岩永 浩 長崎大学, 工学部, 教授 (40039772)
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Keywords | カーボンコイル / 気相成長炭素繊維 / 炭化チタン / マイクロチューブ / 電磁場 |
Research Abstract |
マイクロコイル状炭素繊維の工業的合成法の開発をめざし、多孔型反応装置を開発し、その合成条件、微細構造、成長メカニズムなどを検討し、さらにその特性評価を行った。また、電磁波照射、ゼロ磁場下あるいは回転基板での合成法を検討した。また、カーボンコイルのチタナイジングによるTiCマイクロコイル/マイクロチューブを合成し、その合成条件・微細構造の検討、特性評価を行った。また、気相からの直接合成も試みた。結果の概要は以下の通りである。 A) カーボンコイルの新規合成法の開発: 直径10cm長さ1mの反応管に、原料ガス導入孔を2列、合計40本つけた多孔型反応管を開発した。平均的コイル析出量は、20〜25mg/(cm^2-基板)で、コイル層の厚さは、6-10 mmに達した。反応の際、バイアス電位を基板に照射するとコイル収量は150-200 %増加した。特にDCバイアス照射が効果的であった。ガスバーナーを加熱源とした零磁場下では、コイル収量は変化しないが、アセチレンの反応率が低くなり、したがって、アセチレンの利用率は向上した。原料にプロパンを用いた場合、一旦プロパンが分解してアセチレンを生成し、これがさらに分解してコイルを生成することが分かった。カーボンコイルはほとんど非晶質で超難黒鉛化性であるが、3000℃、6時間以上、CO+CO_2雰囲気下で熱処理すると、Herringbone状のグラファイト構造が生成し、これが著しく水素を吸蔵することが見出だされた。 B) TiC マイクロコイル/チューブの合成: カーボンコイルをTiCl_4+H_2雰囲気中で処理してTiC マイクロコイルを合成し、その条件、微細構造、特性を検討した。この系からは、非常に簡単に種々のTiC 化率の高導電性TiC マイクロコイルが得られた。CH_4+H2+TiCl_4系からのTiC カーボンコイルの直接合成を試みたが、定量的なコイル合成は困難であった。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 金藤敬一: "カーボンマイクロコイルの電気伝導" 電気学会論文誌. 118-A(12). 1425-1428 (1998)
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[Publications] S.Motojima: "Preparation and properties of TiC micro-coils and micro-tubes by the vapour phase titanizing of carbon micro-coils" J.Mater.Sci.(in press).
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[Publications] S.Motojima: "The Three-dimensional growth mechanism of comso-mimetic carbon micro-coils by chemical vapor deposition" J.Applied Physics. (in press).
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[Publications] S.Motojima: "Growth of carbon micro-coils by pre-pyrolysis of propane" J.Mater.Sci.(in press).
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[Publications] S.Motojima: "The growth patterns and morphologies of carbon micro-coils by chemical vapor deposition" Carbon. (in press).
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[Publications] S.Motojima: "Carbon coatings on carbon micro-coils by pyrolysis of methane and their properties" Carbon. (in press).
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[Publications] 元島栖二: "コスモミメテイックなカーボンマイクロコイルの気相合成とその電磁波吸収特性" 表面. 36(3). 140-148 (1998)
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[Publications] 元島栖二: "コスモミメテイックなカーボンマイクロコイルの気相合成とその電磁波吸収特性" EMC. 120. 50-60 (1998)
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[Publications] 元島栖二: "夢の電磁波吸収材-コスモミメテイックなカーボンマイクロコイル" 「新材料1998」(東レリサーチセンター). 216-218 (1998)
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[Publications] 元島栖二: "新しい電磁波吸収体・マーボンマイクロコイル-コスモミメテイックなカーボンマイクロコイルの気相合成とその電磁波吸収特性" 「電磁シールドの最新技術と材料、(シーエムシー). 158-169 (1998)