電子機能部品のダウンサイジングを可能とするポリマーの表面金属化技術の開発

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09555201
• Research Institution: Shizuoka University
• Principal Investigator: 稲垣 訓宏 静岡大学, 工学部, 教授 (30022015)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 鈴木 孝典 (株)巴川製紙所, 技術研究所, 首席研究員 ; 山下 光司 静岡大学, 工学部, 教授 (60110748) ; 田坂 茂 静岡大学, 工学部, 助教授 (10134793)
• Keywords: 表面金属化 / メタライジング / ポリテトラフルオロエチレン / テフロン / ポリイミド / リモートプラズマ / プラズマ処理 / シランカップリング反応

Research Abstract

マルチメデア時代を迎える21世紀には、電子機器の小形軽量化が必須である。この小型化には半導体自体の高集積化もさることながら、半導体以外の電子機能部品も同時にダウンサイジングが図らねばならない。本研究は、電子機能部品のダウンサイジングを図る観点から、その基盤技術となるポリマーの表面金属化技術を開発することを目的として本年度よりスタートした。本研究目的を達成するために、次の研究計画を実行した。
プロジェクト(1):金属とポリマーとの密着力を高めるために、金属とポリマー表面とを結びつける(金属と強い相互作用する)機能分子、あるいは官能基を開発する。
プロジェクト(2):プロジェクト(1)で開発した機能分子、あるいは官能基をポリマー表面に植え込む技術を開発する。
プロジェクトC:表面金属化技術を開発する。
本年度は、表面金属化するポリマーとして、ポリマーの中で誘電率、誘電損失のもっとも小さなポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(テフロン)と耐熱性に優れたポリイミドを対象とした。PTFEの表面金属化には、リモート水素プラズマ処理によって酸素官能基を表面に導入し、無電解メッキによって表面金属化に成功した。また、ポリイミドに対してはアルゴンプラズマ処理とシランカップリング反応を併用し、銅と強い相互作用を発揮するイミダゾール基をポリマー表面に植え込むことに成功した。この表面の機能化によって、ポリイミドの表面金属化にめどが立った。これらの研究成果は、本年春の高分子学会年次大会で講演発表する予定である。

Research Products

• [Publications] N.Inagaki, S.Tasaka, H.Kawai, Y.Yamada: "Surface Modification of Aromatic Polyamide Film by Remote Oxygen Plasma" Journal of Applied Polymer Science. 64. 831-840 (1997)
• [Publications] N.Inagaki, S.Tasaka, M.Makino: "Plasma Polymer Deposition from Mixture of Tetramethoxysilane and Oxygen on PET Films and thier Oxgen Barrier Properties" Journal of Applied Polymer Science. 64. 1031-1039 (1997)
• [Publications] N.Inagaki, S.Tasaka, Y.Goto: "Surface Modification of Poly (tetrafluoroethylene) Film by Plasma Graft Polymerization of Sodium Vunylsulfonate" Journal of Applied Polymer Science. 66. 77-84 (1997)
• [Publications] N.Inagaki: "Surface Modification by Plasma Treatment" Jpn.Journal of Tribology. 41. 1215-1224 (1996)
• [Publications] 稲垣 訓宏: "プラズマ,エキシマレーザーを利用した高分子表面の改質" 表面科学. 18. 543-548 (1997)
• [Publications] 稲垣 訓宏: "リモートプラズマ処理によるポリマーの表面改質" 日本接着学会誌. 34. 73-77 (1998)