1997 Fiscal Year Annual Research Report
新規に開発したBi金属分散型PTCRセラミックスヒーターの実用化に関する研究
Project/Area Number |
09555203
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 益男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80133049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布田 良明 トーキン(株), P&Dセンター・第2研究部, 第2研究部担当部長(
海原 伸男 TDK(株), 電子デバイス事業本部技術統括部, 第一技術部課長(研究
淀川 正忠 TDK(株), 電子デバイス事業本部技術統括部, 第一技術部副部長(研
高村 仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30250715)
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Keywords | PTCRサーミスタ / Bi / セラミックス複合体 / セラミックスヒーター / Bi金属の融点 / Bi金属 / SrBi_4Ti_4O_<15> / Bi金属 / BaTiO_3 / Bi金属 / TiO_2 / Bi金属 / Al_2O_3 |
Research Abstract |
本年度はBi金属と種々のセラミックスを混合した種々の複合体を作製し、PTCR特性の発現の有無を検討することを第一の目的とし実験を行い、以下の結果が得られた。 (1)Bi金属/セラミックス複合体におけるPTCR特性発現ための試料作製条件の最適化 (A)強誘電体セラミックスや誘電体との複合体 強誘電体として、SrBi_4Ti_4O_<15>、Bi_4Ti_3O_<12>、BaTiO_3など、誘電体としてTiO_2、Al_2O_3などを選択し、Bi金属を混合、1075°C〜1150°Cで焼成し、試料とした。まず、(1-X)SrBi_4Ti_4O_<15>-XBiにおいて、ビスマス組成0.7<X<0.8では金属ビスマスの融点である270°C附近で約3桁のPTCR特性を発現した。この試料においてビスマス金属の体積比は約15%程度であり、ビスマス金属は連結しておらず、母相のSrBi_4Ti_4O_<15>相に取り囲まれたような組織形態を呈する。しかし、X<0.7組成試料では、母相の特性であるNTCR特性を示し、X>0.8組成試料では金属ビスマスの特性である低比抵抗特性を示した。これは金属ビスマス量が多いとビスマス金属が連結し、電気的回路を形成し、少量である場合には形成できず、母相の電気特性に従うものと考えられる。 母相として比抵抗の高いAl_2O_3を選択し、Bi金属と混合した複合体試料の比抵抗温度特性を検討した結果、Al_2O_3-0.4Bi組成において、約6桁のPTCR特性の発現が認められた。 (B)室温比抵抗の低いBi金属/セラミックス複合体の試料作製条件の最適化 良伝導性セラミックスであるTiO_2とBi金属を混合し、室温比抵抗やPTCR特性発現の有無などを検討した結果、270°C附近で約2桁のPTCR特性を発現し、室温で0.01Ωmと、低い比抵抗を示した。 本年度の研究において単体ではPTCR特性を発現しない強誘電体や誘電体中でもビスマス金属を融解させることにより、電気的障壁が生じPTCR特性を発現させることが可能であることが判明した。その為には、ビスマス金属と強誘電体の配合比、分布形態の制御が重要であると結論される。
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