1998 Fiscal Year Annual Research Report
新規に開発したBi金属分散型PTCRセラミックスヒーターの実用化に関する研究
Project/Area Number |
09555203
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 益男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80133049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布田 良明 トーキン(株)R&Dセンター, 第2研究部, 担当部長(研究職)
梅原 伸男 TDK(株)電子デバイス事業本部, 技術総括部, 第一技術部課長(研究
淀川 正忠 TDK(株)電子デバイス事業本部, 技術総括部, 第一技術部 副部長(
亀川 厚則 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90292242)
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Keywords | PTCRサーミスタ / Bi金属 / セラミックス複合体 / セラミックスヒーター / Bi金属の融点 / PTCR特性発現温度制御 / BiSn合金 / BiSb合金 / ホットプレス |
Research Abstract |
本年度は、前年度に得られた結果をもとにPRCR特性の発現温度の制御および高性能化について検討し以下の結果が得られた。 (1) Bi金属/セラミック複合体におけるPTCR特性発現温度の制御 PTCR特性発現温度を決定すると考えられるBi金属の融点は270℃である。そこで、Bi金属相を合金化し、融点を変化させることによるPTCR特性発現温度の制御について検討した。 合金化元素としてSnおよびSbを選択し、Bi-Sn系では共晶組成のBi_<0.43>Sn_<0.57>合金粉末を、Bi-Sb系では融点(325℃)となる組成Bi_<0.05>Sb_<0.05>をそれぞれセラミックス母相と複合化した。その結果、Bi_<0.43>Sn_<0.57>合金/セラミクス複合体では共晶温度139℃付近において、Bi_<0.05>Sb_<0.05>合金/セラミクス複合体では280℃付近でPTCR特性が発現し、Bi金属相をSnおよびSbで合金化することにより、PTCR発現温度が140℃〜280℃の範囲で制御できることが判明した。 (2) ホットプレスによるBi金属/セラミック複合体の高密度化 Bi金属とセラミックス複合体は融点が著しく異なるために、焼成温度が高すぎるとBi金属が試料より蒸発しやすく、 Bi金属が蒸発しにくい温度では試料の密度が上がらない。従って、ホットプレス法により、内部の孤立したポアを消失させ、試料密度の上昇を試みた。その結果、最適焼成温度、成形圧を検討することにより、試料の相対密度は99%以上まで上昇し、ホットプレス法により作製した試料においてもPTCR特性が発現することが判明した。
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