1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09555207
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水林 博 筑波大学, 物質工学系, 教授 (40114136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 久典 筑波大学, 物質工学系, 講師 (70222122)
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Keywords | Al-Si(Cu)薄膜 / Al薄膜 / Ag薄膜 / Auナノ結晶 / 非晶質合金 / 弾性率 / 表面・界面 / 粒界層 |
Research Abstract |
集積回路は微細化に伴い配線電流密度が上昇しており、ジュール熱の低減、エレクトロマイグレーション(EM)およびストレスマイグレーション(SM)対策が重要であり、IBMでは高導電率金属のCuの利用を始めている。EMとSMに関して膨大な研究が行われているが、根元的対策に繋がる可能性がある表面、界面、結晶粒界層に関する力学的研究は皆無に近い。また、実装状態では配線自体がパッケージされており、細線あるいは薄膜状態での力学的特性の評価が必要である。この観点から、本研究では、実績のあるAl-Si(Cu)を基準材料、高導電率金属のAgを候補材料、超弾性率効果を示す金属多層膜Ag/Pdを未来候補材料、純Alを比較材料、また粒界層、表面・界面層での非秩序系の参照材料としてナノ結晶および非晶質合金を取り上げ力学的特性の面から研究を進めている。本年度は以下の成果を得て、その一部を論文発表した。(1)Al-Si(Cu)薄膜:10nm迄はバルクの弾性率を示し、粒界層、表面・界面層の弾性率はバルクに近いことを示唆する。また、内部応力によると見られる弾性率の変化が見出された。(2)純Al薄膜:弾性率の膜厚依存性はAl-Si(Cu)薄膜と似ているが絶対値が低い。(3)Ag薄膜:50nm迄はバルクの弾性率を示す。より薄い膜では弾性率が低下して見えるが、その原因は追究中。(4)金属多層膜Ag/Pd:超弾性率効果を示す試料は原子の拡散も起きにくく有望な未来候補材料である。(5)金ナノ結晶:高品質試料での測定結果は、結晶粒界層の弾性率は非晶質での値かそれより高いことを示唆する。(6)非晶質合金:ランダム系では密度揺らぎに起因すると推定される原子の集団運動が発現する。これらは、現象論的には弾性率の絶対値が高い材料が原子の拡散が遅くなるので配線材料に有利なことを示唆する。基礎的機構は現在追究中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Mizubayashi, T.Okamoto, K.Koyama and M.Horiuchi: "Dynamic Anelastic Response of Amorphous Alloys Suggesting Collective Motions of Many Atoms" Acta Materialia. 46. 1257-1264 (1998)
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[Publications] S.Sakai, H.Tanimoto and H.Mizubayashi: "Mechanical Behavior of High Density Nanocrystalline Gold Prepared by Gas Deposition Method" Acta Materialia. 47. 211-218 (1999)
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[Publications] H.Mizubayashi, S.Iwasaki, T.Yamaguchi et al: "High thermal stability associated with supermodulus effect found in Ag/Pd multilayer films" J.Magnetism and Magnetic Materials. (in press). (1999)
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[Publications] H.Mizubayashi, J.Matsuno and H.Tanimoto: "Young's Modulus of Silver Films" Scripata Materialia. (in press). (1999)
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[Publications] 水林 博: "ナノ構造材料の弾性特性 -金属薄膜・多層膜・ナノ結晶-" 金属. 69. 96-104 (1999)
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[Publications] 谷本久典、境 誠司、水林 博: "ナノ結晶質金属材料の力学的性質" まてりあ(日本金属学会報). 37. 671-677 (1998)