1997 Fiscal Year Annual Research Report
新しい析出強化型Co基耐照合金の開発とガスタービンエンジン用部材の試作
Project/Area Number |
09555209
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三島 良直 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (00143660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 重義 (株)日立製作所, 日立研究所, 主任研究員
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Keywords | Co基超合金 / 金属間化合物 / 2相合金 / 材料設計 / ガスタービンエンジン |
Research Abstract |
本研究は新しいCo基超合金を開発・実用化するため、Co-Al-C3元系において、Co1次個溶体中にE2_1型の金属間化合物Co_3AlCを析出させた2相合金に着目し、その組織制御を行うとともに機械的性質を調べたものである。前年度にCo-rich側の(Co)/Co_3AlC2相領域周辺の平衡状態図を調査した成果をふまえ、種々の体積率のCo_3AlC相を分散相とする2相合金を作成し、室温から1273Kまでの温度において体積率と強さ及び延性との関係を評価した。その結果、2相合金の室温での強度はCo_3AlC相の見かけ上の体積率が約40〜50%のところで最大値を示すこと、また2相合金の圧縮による温室延性はCo_3AlC相の体積率と共に単調に増加し、最高約20%の圧縮変形を示すことを明らかにした。また、約30%以上のCo_3AlC相体積率を持つ2相合金は、1273K、ひずみ速度約1.4x10^<-4>_s^<-1>において約250〜270MPaの良好な0.2%流動応力を示し、その値は商用Ni基超合金のそれに匹敵することも明らかとなった。さらにこの合金を実用化するための第一歩として通常タービンブレ-ドを作製する手法である精密鋳造を行い、十分な成果を得た。以上の結果からCo_3AlC相の体積率の高い(Co)/Co_3AlC2相合金は高温強度及び室温延性を兼ね備えていることが分かり、従って新種のCo基超合金として実用化が期待される。
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