1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09555217
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福島 久哲 九州大学, 工学部, 教授 (50038113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中小路 尚匡 川崎製鉄, 技術研究所表面処理研究部, 課長(研究員)
大貝 猛 九州大学, 工学部, 助手 (60253481)
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Keywords | 表面処理鋼板 / 亜鉛 / クロム / ポリエチレングリコール / 陰極界面pH / 水酸化物 / 分極曲線 / 電析 |
Research Abstract |
次世代の鋼板の表面処理法として期待されている硫酸塩浴からのZn-Cr合金電析挙動を検討し,以下に示すような研究成果を得た。 (1) 添加剤としてのポリエチレングリコール(PEG)の濃度および分子量の効果を調べた結果,PEG濃度0.1g/L以上で分子量1540以上の場合,電析Zn中にCrが金属状態で存在することが分かった。また,PEGが低濃度で低分子量の場合,電析物中では、Crは水酸化物の状態で存在していることがわかった。 (2) 分極曲線に及ぼすPEGの影響を検討した結果,PEG濃度0.1g/L以上で分子量1540以上の場合,陰極電位が約0.2V卑に移行した。 (3) 電解時の陰極近傍において生成しているZnCr複合水酸化物の生成挙動を調べた結果,PEGの有無にかかわらず,ZnとCrは2:1の比率で複合水酸化物を生成し,その構造は熱的に安定な非晶質状態であることが判明した。また,Cr単独水酸化物に比べZnCr複合水酸化物のCrはアルゴンスパッタリングにより還元されやすいことが判明した。 (4) 高濃度・高分子量PEG添加浴においては,Cr単独電析の場合と異なり,Zn-Cr合金浴においては,界面pH上昇の結果生成したZnとCrの複合酸化物(速度論的に容易に還元可能な化合物であると推定される)からの放電の結果合金が生成し,PEGはCrが十分放電できるような陰極電位を達成させる分極剤として作用しているものと推定された。したがって,PEGを含有しない浴においては,複合酸化物からのZnの還元のみが起こり,Crは電析Zn中に水和酸化物として混在する結果となった。
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[Publications] T.Ohgai,Joon-SeoKi,T.Akiyama,H.Fukusima: "Electrodeposition Process of Zn-Cr Alloys from Sulfate Baths" Value-Addition Metallurgy(TMS). 225-234 (1998)