1997 Fiscal Year Annual Research Report
準安定なZrO_2-CeO_2-CeO_<1.5>固溶体の固体イオニクス特性
Project/Area Number |
09555225
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八尾 伸也 大阪大学, 工学部, 教授 (90029299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 秀雄 山里産業(株), 企画開発室, 室長
小俣 考久 大阪大学, 工学部, 助手 (80267640)
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Keywords | 準安定相 / 固体イオニクス / ジルコニア / セリア / 電気伝導性 / 新規化合物 |
Research Abstract |
金属-酸素系セラミックスにおいては、Cyclic Redox Processにより種々の準安定相の作製が可能である。これら準安定相と安定相の間で均一な準安定固溶体を形成させると、酸素空孔と陽イオン空孔の局所配列が制御された種々の固溶体を創成することができる。多量の酸素空孔および陽イオン空孔が導入された、これら固溶体は固体イオニクス材料として大いに有望である。本研究では、ZrO_2-CeO_2-CeO_<1.5>系にこの原理を適用して、種々の準安定固溶体を作製し,局所原紙配列の特徴、光学的性質、およびイオン伝導などの固体イオニクス特性を明らかにすることを目的とする。 1600℃以上の高温で得られた立方晶相を冷却し、良く知られた準安定な相である正方晶t′相を作製した。固体電解質酸素ポンプを用いて酸素分圧を一定に制御した雰囲気の中でt′相を還元してバイロクロア相(Ce_2ZrO_2O_7,pyro)を作製した。その後873Kで酸化することにより新規な準安定な相であるk相(CeZrO_4,k)を得た。1373K、O_2ガス中で焼鈍することにより別の新規な準安定相である正方晶CCeZrO_4,t^*相)を得た。このt^*相を還元すると、Ce/Zrの幅広い比を有する新しい準安定相Ce_<(8-4y)>ZrO_<4y>O_<(14-δ)>が出現することを発見した。t′相からパイロクロア相までの還元の度合いが低い場合、その後の酸化で、新しい準安定相Ce_<(8-4y)>Zr_<4y>O_<(14-δ)>相、t^*相、t^<**>相のX線回折、ラマン分光分析、熱力学的測定、電気伝導度測定によるキャラクラリゼーションを行った。これら準安定相の電気伝導度は特異であり、例えば、t^*相、t^<**>相のX線パターンは同一であるにも関わらず、より不安定なt^<**>相の電気伝導度は数倍大きかった。これら準安定相および安定相との間で特異なイオニクス特性を有する固溶体が発見される可能性は大であることが示唆された。
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