1997 Fiscal Year Annual Research Report
電気メッキと繰り返し圧延法による銅-コバルト超積層磁気抵抗材料の開発
Project/Area Number |
09555228
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Research Institution | Research Institute for Applied Sciences |
Principal Investigator |
桑原 秀行 財団法人応用科学研究所, 第1研究室, 室長 (90132795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮村 弘 滋賀県立大学, 工学部, 助教授 (90275165)
菊池 潮美 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (70026326)
間崎 直子 財団法人応用科学研究所, 第1研究室, 研究員 (40280672)
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Keywords | 超積層材料 / 巨大磁気抵抗 / 銅 / コバルト / 電気メッキ / 圧延 / 微細結晶粒 / 圧延超塑性 |
Research Abstract |
超積層材料を電気化学的手法と圧延法を用いて巨大磁気抵抗(以下、G-MRと略す)材料を開発することを目的として本研究を行なった。Cu箔(厚さ9μm)の両面に厚さ約1.7μmのCoを電気メッキしてCu-18at%Coクラッド材を作製した。これを20X30mm^2に切断し、同じ大きさの銅箔と交互に200枚を重ねてから、真空中で800℃に加熱して30〜60分間2MPaの圧縮応力を加えて予備接合した試料と、水素ガス気流中で900℃に4時間加熱することによって接合した試料とを作製した。これらの試料を焼鈍することなく厚さ約100μmまで圧延し、再び切断・積層・固相接合を繰返してCo層とCu層をそれぞれ200〜2519400層にし、最終厚さを100〜20μmまで圧延したMRに及ぼすCo粒子の大きさの影響を検討するために、水素ガス気流中で300〜500℃に60分間加熱保持してから室温に急冷してから試料の組織観察、ビッカース硬さ測定、MRを測定した。 試料断面における組織観察からCo層の大きさは、長さが約3.6μm、厚さが約0.21μmであった。このような試料のMR測定結果は図に示すように最大で1.68%であった。 厚さ20μmまで圧延した296000層のCu-Co積層材料を真空中で焼鈍し、MR測定した結果焼鈍温度が500℃から400℃へ低くなるに従いMRは大きくなった。CuとCoを800℃で接合する際に、Cu中にCoが約1.3at%程度固溶していると推測される。500℃におけるCu中のCoの固溶限は0.2at%以下であるので過剰のCoは低温で焼鈍するほどCoを微細に析出するのでMRを大きくすると考えられる。 今後、Co粒子の大きさを少なくとも10nm以下の大きさに微細分散させてG-MR抗材料を開発する。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 菊池潮美ら: "Ag/Fe積層材料の窒化" 日本金属学会春期第122回大会概要集. 375-375 (1998)
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[Publications] 菊池潮美ら: "Ag/Feクラッド材の集合組織" 日本金属学会春期第122回大会概要集. 351-371 (1998)
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[Publications] 桑原秀行ら: "Cu/Co超積層材料に及ぼす熱処理の影響" 日本金属学会春期第122回大会概要集. 127-127 (1998)
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[Publications] 菊池潮美ら: "Ag/Fe積層材料の窒化" 粉体粉末冶金協会秋大会概要集. 179-179 (1997)
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[Publications] 菊池潮美ら: "Ag系積層材料の集合組織" 粉体粉末冶金協会秋大会概要集. 178-178 (1997)
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[Publications] 桑原秀行ら: "Co-Cu超積層材料の特性に及ぼす熱処理の影響" 粉体粉末冶金協会秋大会概要集. 18-18 (1997)
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[Publications] 桑原秀行ら: "純銅の圧延による加工軟化(II)" 日本金属学会秋期第121回大会概要集. 354-354 (1997)
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[Publications] 菊池潮美ら: "Ag系積層材料の集合組織形成について" 日本金属学会秋期第121回大会概要集. 342-342 (1997)
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[Publications] 桑原秀行ら: "繰返し圧延したCo-Cu超積層材料の組織と特性" 粉体粉末冶金協会春期大会概要集. 175-175 (1997)
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[Publications] 菊池潮美ら: "圧延による超積層材料の集合組織" 材料学会. (1997)
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[Publications] 菊池潮美ら: "ナノスケールAg-Ni層状材料の作製と材料強度" 材料学会. (1997)